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【大人勉強】 「脳の仕組み」を利用して学習を自動化する 1/3 【時間×場所】

はじめに:やる気という「幻」を追いかけない


独学において、多くの人がぶつかる最大の壁は「継続」です。

新しいことを学び始めた当初は高いモチベーションにあふれていても、数日もすればその熱は冷め、いつの間にかテキストは机の隅で埃をかぶってしまう。
そんな経験をすると、私たちはつい「自分は意志が弱い人間だ」と自責の念に駆られてしまいます。

しかし、断言します。
三日坊主になるのは、あなたの意志が弱いからではありません。

人間の脳がそもそも「変化」を嫌い、「現状を維持しようとする」強力な本能を持っているからです。
この本能に真っ向から「やる気」や「根性」で挑むのは、エンジンを吹かさずに急斜面を登ろうとするようなものです。

継続力を手に入れるために必要なのは、強い精神力ではなく、脳の仕組みを逆手に取った「仕組み」です。

前編では、やる気に頼らず、まるで歯を磨くように自然と学習が始まる「自動化」の技術について考えていきます。




1. 最強のイフゼンプランニングは「時間×場所」


私の「習慣術」関係の記事で頻出なのが「イフゼンプランニング」というテクニック。
心理学の世界で、習慣化に最も効果的とされる手法です。

「もしA(状況)が起きたら、B(行動)をする」

というルールをあらかじめ決めておく手法です。
脳は、特定のきっかけと行動をセットで記憶すると、それを自動的に実行しようとする性質があるからです。

イフゼンプランニングにおいて、最も強力な「もし(イフ)」の条件は、時間帯と場所の組み合わせです。

私の場合、朝のルーチンは完全に数珠つなぎになっています。
起床直後に自室のデスクに座り、まずはメールとカレンダーを確認する。
これが終わったら、そのままnoteの記事執筆に入り、時間が来たら軽く筋トレした後にフィットボクシングで体を動かす。
そしてお弁当を作りながら朝食を摂る。

ここには「今日は何をやろうか」という迷いの余地が一切ありません。
前の行動が終わることが、次の行動を開始するスイッチになっているからです。

このように、生活の動線の中に学習を組み込むことが習慣化の第一歩です。
「時間が空いたら勉強しよう」という曖昧な計画は、脳にとっては「何もしない」と言っているのと同じです。
いつ、どこで、どの行動の後に学習を開始するのか。それを明確にしない限り、習慣の歯車は回り始めません。



2. 場所が行動を規定する「環境の力」


「時間」と同じくらい重要なのが「場所」です。
私たちの脳は、場所と行動を強く結びつけて記憶しています。
自室のベッドの上で勉強しようとしても、脳がそこを「寝る場所」と認識していれば、自然と眠気が襲ってきます。

私は平日の半日休日などの日には、意識的に外へ出ます。
(実は私は出不精というか、引きこもり体質に近いものがあるので本当は部屋にいたいのですが。汗)

主な行き先は図書館かマクドナルドです。
面白いことに、場所によって自分の行動モードも自然と切り替わります。

図書館では、静寂な空気に合わせて、じっくりと考えを巡らせる勉強や読書に取り組みます。
一方で、マクドナルドではあえて「強度の高いアクション」、つまり過去問演習や問題集などの、より負荷のかかる学習を多めに行います。

なぜマクドナルドで勉強がはかどるのか。
そこには「コスト」という心理的ブースターが働いています。飲み物代を支払い、わざわざ足を運んで席を確保している。
そのコストがかかっている分、「元を取らなければならない」という心理が働き、強制的に学習のスイッチが入るのです。

また、経験上、難しい資格試験に挑戦する時にマクドナルドで勉強するとすごく捗るということがわかっています。
どうやら店内の騒音や独特の匂いが、脳にとって「今から勉強を始めるぞ」という合図になっているようです。

ただし最長でも2時間まで、混雑時は避けるといった自分なりのルールはありますが、特定の場所を特定の学習モードのトリガーにすることは、意志力を使わないための極めて有効な戦略です。

もちろん、図書館でもがっちり勉強するときがありますが、これは私の感覚的なものなのですが、図書館ではどうにも集中しすぎてしまいます。
そのせいで疲れるのが早いのです。

それと図書館では飲食できないというのもありますね。
勉強のお供にはコーヒー、というのが脳に刷り込まれてしまっているようです。

ちなみに、ランチは100%外食だった時代、

「そのランチを注文してテーブルにやってくるまでの間は必ず勉強する」

というイフゼンルールを設定していました。
これもなかなか効果的なルールだったと思います。

そして弁当派になった現在、このルールは

「弁当食べる時は読書する」

になってます。


3. スモールステップ:まずは「開く」だけでいい


習慣化を阻むもう一つの要因は、最初の一歩のハードルが高すぎることです。
例えば「今日は一時間勉強する」と決めると、脳はその一時間の重圧に耐えきれず、始める前から拒否反応を示します。

そこで活用すべきなのが「スモールステップの法則」です。
学習を開始する際のハードルを、これ以上ないほど低く設定します。
極端に言えば「テキストを机の上に開く」だけで、その日のミッションは完了としても構いません。

心理学には「作業興奮」という現象があります。
やり始めるまでは億劫でも、一度やり始めると脳の側坐核が刺激され、やる気が出てくるという仕組みです。
テキストを開き、一行読み始めれば、そのまま二行、三行と読み進めてしまうのが人間の脳の面白いところです。

もっとも生来の怠け者である私は、その1行すら読みたくないときがたまに、いや割としょっちゅうあります。
こういう時どうしたらいいのかはまだ自分でも結論が出ていません。
(が、次回までに必死に考えることにします。汗)

とにかく大切なのは「始めるためのハードル」を地面に埋まってしまうほど低くすること。
そして、一分でも、一秒でもその行動に触れたなら、自分を褒めてあげることです。


4. 前編の結び:自分の脳を飼い慣らす


習慣化とは、自分の中に「自分を自動で動かすプログラム」を書き込む作業です。
やる気に満ち溢れた特別な自分を期待するのではなく、疲れていて、面倒くさがりで、誘惑に弱い「普段の自分」がどうすれば動けるかを考える。

「時間×場所」という最強のトリガーを設定し、場所の力を借り、最初の一歩を極限まで小さくする。
これらはすべて、自分の脳を優しく飼い慣らすための知恵です。


次の中編では、このように仕組みを整えてもなお「どうしても動けない」という瞬間に、心の中で何が起きているのか。
疲れや完璧主義、あるいは動機の迷いといった、習慣化を阻む深層心理のブレーキの外し方について考えます。




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