from 図書館返却本棚 その38 「いつやるか?今でしょ」林修 前編
毎度おなじみ、図書館の返却本コーナーから目についた本、それもなるべく普段読まない系の本を手にとって、図書館の勉強コーナーで読みながら同時に感想を書くという無茶なシリーズその第38段でございます(^^)
はじめに:「いつ読んでるの、今更?」
もとい、
「いつやるの、今でしょ」
これを私は座右の銘にしています。
正しくは「いつやるか?、今でしょ」だったということに今気がついたのですが、長年こう覚えてしまったので、もう一生このフレーズと付き合っていく覚悟です。
一時の流行語でもあったため、かなり気恥ずかしい気持ちがあるのですが、この言葉には、私が人生で痛感した真理が込められています。
私達は何かしたいことを思いついたときに、「落ち着いたらやろう」「今の問題が解決したらやろう」などと思いがちです。
しかし実際には、
落ち着いた日やすべての問題が解決した日など一生こない
ということに、ある日気がついたのです。
タスクも問題も、取り組んだ矢先から増えていきます。
将来が今よりも「落ち着いたいい状態」になる保証などないのです。
ならばやりたいことがあったら、未来にできると期待するのではなく、「今」やるしかない。
こんな思いをたった一文で表してくれたのが、林修氏のこのキャッチフレーズでした。
この本『いつやるか?、今でしょ』が刊行されたのは2012年。
流行語となったのが2013年。
それから13年経った今、ようやく「原典」を読むことができました。
「いつ読むの、今でしょ」と思ったから読んだのです。
さて、私は「いつやるの、今でしょ」をもっと深掘りした、行動心理学的な内容を期待ししていました。
ですがこのキャッチフレーズは、タイトルとまえがきとあとがきに使われているのみでした。
そこは正直残念でした。
しかし、内容は概ね賛同できるものばかりで、長年抱いてきた自身の思考のクセを言語化してくれたように感じています。
この本を13年越しに読んだ私が、林修氏の教えを振り返りつつ、特に響いた点、そして逆に今だからこそ深掘りしてほしいと感じた点を、私の私見を交えて考察していきます。
第1章:「対比」と「逆算」――今すぐ変えるべき思考のクセ
「対比」という思考法
本書で私がもっともハッとさせられたのは、「思考法」に関する記述でした。
林修氏は、考えに詰まる理由に「考える方法を持っていない」ことを挙げています。
そしてもっとも簡単な考える方法として「対比」を提示します。
更に対比軸を二本設定すれば「二軸思考」になる、という教えです。
この「対比」という視点そのものが、今までの私には決定的に欠けていたように感じています。
物事を一つの軸、一つの方向からしか見ていなかった結果、思考が行き詰まっていたのかもしれません。
今後は思考する際に、できれば二つの「対比」を意識して、思考の解像度を上げていきたいと考えています。
「逆算の哲学」という高難易度の思考法
また、本書の「逆算の哲学」の項には、できる人はみなゴールから逆算している、という一文があります。
時間は絶対足りないものと考え、できないものはできないと割り切った上で、まずは成功のイメージを作る。
そして、何かを得るには何かを捨てるしかないから、満足のバランスを考えながら優先順位を決める、という流れです。
その通りだと、頭では理解できます。
しかし、ここに大きな疑問も感じました。
この「逆算の哲学」を実行できる人は、そもそも「できる人」なのではないか、ということです。
成功のイメージを作るのは私にはとても難しいことです。
ぼんやりと妄想することはなんとかできますが、その細部まではイメージできないのです。
そして、その成功イメージを現在まで分解して、今日のTODOに落とし込んでいくことはさらに難しい。
「できる人」とは、この成功イメージの構築と分解が簡単にできてしまう人のことなのでしょう。
この章に関しては、それができない人向けに、成功イメージをあいまいにせず、確実に分解していくための「思考のトレーニング」のようなものをもっと紹介してほしかった、というのが正直な感想です。

第2章:人間関係の「基本」と「裏技」――挨拶と相談と権威
挨拶は誰にでも平等に
林修氏の教えは、思考法だけでなく、日常の基本的な行動や人間関係の機微にまで及びます。
その一つが「挨拶は誰でも平等に」です。
人を見て挨拶を変えるのはもっともみっともない行為だと説かれています。
これは私も日頃から誰に対しても同じように挨拶することを実践しているつもりです。
過去に、基本全員に偉そうな態度をとるのに、自分より偉い人には猛烈にへりくだる人を見たことがありますが、それはみっともないを通り越して哀れですらありました。
偉い人に慣れなくとも、こういう人にだけはなりたくないと思ったものです。
挨拶という「基本の習慣」こそ、人間の器の大きさを表すのだと改めて感じます。
相談に正論で返すな
さらに、人間関係の機微に触れるアドバイスとしては「相談に正論で返すな」というものに感心しました。
このことは経験上、夫婦生活において重要だと痛感しています。
経緯の詳細は省略させていただきますが……。
相手が求めているのは解決策ではなく共感であることが多い、という点は肝に銘じておきたいところです。
交渉事はあえてアウェイで
一方で、自分の意見の伝え方に関する教えは、まさに目からウロコでした。
「人は権威のある人の話しか聞かない」
なるほど、そのとおりです。
そして自分の話をいつどこで伝えるのかも重要だと説かれています。
「場所はアウェイがいい」というのも、驚きでした。
ホームだと相手が警戒するから、という理由です。
交渉事にはつい慣れた場所を選びがちですが、相手の警戒心を解くための「アウェイ戦略」は、非常に実践的な「裏技」だと感じました。
以下次号!
