7月25日|すみません、どちら様でしたっけ
今朝は、いつもと違う場所でこの日記を書いています。
家の中にあった事務所から、蔵の研修室へ。
昨日、机も書類もパソコンも、まるごと引っ越しをしました。
家の中に作業できる部屋があるのは、便利でした。
思いついたらすぐパソコンに向かえるし、雨の日でも仕事が前に進みます。
ただ、その便利さには裏側がありました。
仕事と生活の境界線が、だんだん消えていくのです。
ごはんを食べていても、頭のどこかで書類のことを考えている。
子どもと話しながら、明日の段取りを組み立てている。
妻も同じことを感じていたようで、「どっちかにした方がいいんじゃない」と。
その一言で決まりました。
ちょうど蔵の研修室が完成したところだったので、タイミングも良かったです。
静かで、少しひんやりしていて、なんだか背筋が伸びます。
さて、昨日は夕方から福光のねつおくり祭りへ行ってきました。
子どもたちがダンスの発表をするからです。
城端線に揺られて福光駅へ。
着いてすぐ、中華菜館チューの福光店で先に腹ごしらえをしていくことにしました。
お店に入ると、なにやら準備をしておられます。
よく見ると、ライブ配信の準備でした。
実は私、タイミングが合えばその配信を見ているのです。
画面の向こう側だと思っていた場所に、自分が座っている。
これが妙に嬉しくて、ひとりでニヤニヤしていました。
そこから発表までの三時間ほど、会場をうろうろしていました。
出店を眺めて、また歩いて。
次から次へと声をかけていただき、こちらからも声をかけて歩いていました。
一番驚いたのは、ある女性からの一言です。
最初は正直「あれ、どなただったかな」と思いましたけれど、数秒で思い出しました。
20年近く前、まだ佐川急便で滑川を担当していた時の知り合いでした。
SNSをいつも見てくださっているそうです。
そのうえで、わざわざその場で声をかけてくださった。
本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
そしてもう一人。
「森田さんですよね」
別の女性の方から、そう声をかけられました。
今度は、お会いしたことがないという確信がありました。
考えても考えても、思い浮かびません。
「すみません、どちら様でしたっけ」
返ってきた答えが、これでした。
「奥さんと同僚なんです」
それは、わかるわけがありません。
思わず笑ってしまいました。
農業者の仲間とも会うことができて、畑のこと、人手のこと、この暑さのこと、いろいろ情報交換をさせてもらいました。
その中で、とある農業者からこんな言葉をいただきました。
「アニューリーフは、新規就農者や就農者たちの駆け込み寺みたいなところがあるよね」
言った本人は、その言い方をすぐに直そうとしておられました。
けれど私は、確かにそれでもいいかもしれない、と思ったのです。
自分でも、何かに気づきかけたような感覚がありました。
うまく言葉にはできませんが、あの一言の中に大きなヒントがある気がしています。
肝心のダンスの発表も、しっかり見届けてきました。
家の中から仕事部屋を出したのは、境界線を引くためでした。
でも昨日一日を振り返って、逆のことを考えています。
仕事と暮らしの線は、引いた方がいい。
けれど人とのつながりには、線を引かない方がいい。
畑にこもっていたら、絶対に生まれなかった出会いばかりでした。
今日からまた、蔵の机に向かいます。
昨日いただいたパワーの分だけ、ちゃんと畑に返していきます。
