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「あるべき自分」に追われて、「やりたい自分」を失っていないか



「あるべき自分」に追われて、「やりたい自分」を失っていないか

今日もダニエル・ピンク著『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める』を読み進めた。

今回、特に考えさせられたのは、次の二つの話だった。

* 私たちの中には「三つの自分」がいる
* やったことよりも、やらなかったことへの後悔が長く残る

なぜ人は、本当にやりたかったことを後回しにしてしまうのか。

その理由の一つが、この「三つの自分」の関係にあるという。

私たちの中にいる三つの自分

本書では、自分を次の三つに分けて考えている。

1.現実の自分

今、実際に生きている自分。

現在の能力、仕事、収入、生活、行動などを含めた、今ここにいる自分である。

2.やりたい自分

希望や夢を抱き、「こうなりたい」と願っている自分。

挑戦したいこと、つくりたいもの、表現したいこと、本当は歩んでみたい人生などがここに含まれる。

3.あるべき自分

義務、責任、道徳、周囲からの期待などを背負った自分。

「これをしなければならない」
「この役割を果たすべきだ」
「人に迷惑をかけてはいけない」

そうした「べき」によって形づくられる自分である。

「あるべき自分」は、目の前の行動を強く動かす

現実の自分と、やりたい自分との間に差があれば、私たちはその差を埋めたいと思う。

しかし、現実の自分と、あるべき自分との間に差がある場合、その衝動はさらに強くなるという。

義務を果たしていない。

責任を全うできていない。

期待に応えられていない。

このように感じると、人は「やりたいこと」よりも「やるべきこと」を優先しやすくなる。

確かに、義務や責任は大切だ。

仕事をすることも、人との約束を守ることも、生活を成り立たせることも必要である。

けれど、「あるべき自分」ばかりを優先していると、「やりたい自分」との差を埋める機会が失われていく。

失った機会への後悔は、後になって響いてくる

目の前では、「やるべきこと」を果たす方が重要に見える。

やりたいことは、明日でもできる。

落ち着いてから始めればいい。

もう少し余裕ができてから考えよう。

そうして先延ばしにしているうちに、機会そのものがなくなってしまうことがある。

年齢、体力、環境、人との出会い、時代の流れ。

すべての機会が、いつまでも同じ姿で待ってくれるわけではない。

やって失敗した後悔は、その経験から学び、意味を与え直すことができる。

しかし、やらなかったことには経験そのものが残らない。

「あのとき挑戦していたら、どうなっていただろう」

その答えが永遠にわからないからこそ、機会を逃した後悔は、時間がたってから大きく響いてくるのかもしれない。

自分は、どちらかに偏っていないだろうか

この章を読みながら、自分自身の行動や戦略について考えた。

今の自分は、

「やりたい自分」を優先しすぎて、責任や現実を置き去りにしていないか。

反対に、

「あるべき自分」に縛られて、本当にやりたいことを後回しにしていないか。

演奏、作曲、教育、発信、経営、海外への挑戦。

自分の活動には、「やりたいこと」と「やるべきこと」の両方がある。

生活を守り、責任を果たす視点は欠かせない。

一方で、それだけに追われて創作や挑戦の機会を失えば、後になって大きな後悔が残るかもしれない。

大切なのは、どちらか一方を選ぶことではない。

「やりたい自分」と「あるべき自分」の両方を、定期的に確認することなのだと思う。

バランスとは、半分ずつにすることではない

バランスという言葉を聞くと、両方に同じだけ時間を使うことのように思える。

けれど、本当のバランスは、おそらく単純な五分五分ではない。

今は責任を優先する時期なのか。

今を逃すと、二度とできない挑戦なのか。

どちらの不足が、将来の自分に大きな後悔を残すのか。

その時々で問い直し、意識的に配分を変えることが必要なのだと思う。

責任には期限がある。

しかし、夢や可能性にも期限がある。

「やるべきこと」だけで一日を埋めないこと。

「やりたいこと」を、余った時間に回さないこと。

未来の後悔を減らすには、やりたい自分のための時間や機会を、先に守る必要がある。

今日の気づき

今回の読書で、自分に残った問いはこれだった。

今日の行動は、「やりたい自分」と「あるべき自分」のどちらに近づくものだろうか。

そして、もう一つ。

どちらか一方の声を、聞こえないふりをしていないだろうか。

責任を果たすことも大切。

希望や夢を守ることも大切。

両者を対立させるのではなく、どちらも自分を形づくる大切な声として扱っていきたい。

今日の気づきを、今日の行動の糧にする。

「いつかやりたい」で終わらせず、やりたい自分に近づくための小さな一歩を、今の現実の中に置いていこう。


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