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【エッセイ】バイト弱者はいかにして二年間もバイトを続けたのか?

君は思っただろう。タイトルにある「バイト弱者」とは何かと。
まあ、端的に言えば、バイトしたくないよ星に住んでいるバイトしたくないよ人の私みたいな人間の事である。

とは言え、出来る事ならバイトをしたくない。
そんなマインドの私がバイトを二年間続けたのでその話をしたい。

誰かに、吐露したいと言う考えと、バイトを始める前にこんな奴でもバイトできるんだなと言う情報を知りたかった経験があってエッセイなるものを書こうと踏み切ったわけである。
後、金。そのほかにも理由は多々あるが、長くなるので簡単に羅列すれば金と金と金だろう。あとは、金。

とにもかくにも、そんなこんなで執筆に至ったわけだ。
では、社会を舐めまくったクソガキである私がいかにしてその二年を過ごしたのか書いていこうと思う。

冒頭でバイトをしたくないと書いている私が、いかにしてバイトをするに至ったのか、まずはその理由を語ろう。
うん。そうだね。金だね。
と言うのはさておき、意外と常識的な理由に突き動かされての物だった。
よくある話。何の面白みもないその理由は「社会経験のために」と言った酷くありふれたものだった。
人によってはそんなものバイトの面接で適当に考えた理由に等しいかもしれないが、私の場合は心の底からそう思っていた。と言うかそうでもなければバイトなどしたくはなかった。

何故したくないのか?バイト強者はそんな風に思うだろう。お金貰えるしいいじゃん。お前の幼少からの夢である千円札を敷き詰めた湿気た札束風呂に入りたくないのかと。
まあ、普通に、私が社会不適合者だからだよね。
昨今話題になる漫画アニメ(今週のジャンプを買って読んでみれば、ルフィ以外ほぼ陰キャかコミュ障か寡黙キャラかに大別されるほどだ(されない))に倣うように模範的コミュ障であるので、バイトをして傷つく可能性、加えて、金をもらうと言う対価に見合う働きなど到底できないとそんな考えを抱いていた。

そして、それに相反するように生まれるバイトを経験しておかなければならないと言う考えは、就職して社会に出た時にそれはもう悲惨なことになるのは目に見えているからだ。

大まかに分けてこのエッセイは、「直営店編(1ヵ月目~1年目終了ごろ)」、「オーナー店編(二年目~退職まで)」と続くことになるが、まずはそれより前、序章とも言える「採用面接」について語ろうと思う。

前述したとおり、社会経験としてバイトをやっておいた方が良いと言う理由で重い腰を上げたのは高校三年生の1月ごろだろうか。
一年生時クラスメイトの大半が入学からバイトに精を出す中、頑なに部活もせずに家と学校の往復をし続けたつまらない現代の若者の代表格である私は卒業間近にして「アルバイト」と言う存在を視野に入れ始めていた。

受験はすでに終わっている。学校も行く必要がない(自由登校の学校も多いだろうが私の学校の三年生は学力が御察しであるため大半は共通テストを受けていない)ため、少しこれからの事へと意識が向いていた。
ちなみに断じて暇だからと言う理由ではない。自慢じゃないが、高校三年間の大半を家と学校の行き来で溶かしていた私には膨大な時間があったが特に何を成すでもなく消費していたのだから、突然二か月ほどの休みが始まろうともそんな思考にはなりようがなかった。

そして極力バイトを避けてきて来た私がその時期にバイトに意識を回しているのを見て、バイト弱者の諸君は「え?もう?」と疑問を抱いたことだろう。
我々の様な人種は嫌なことを徹底的に後回しにして、それでもバックレるほどの度胸はないため後で苦しくなってからやるのだ。
だから、本来ならばいくら多少のミジンコのような意欲があっても、バイトと言う単語を意識し始めるのは来年の5月に入ってからだろう。

だが悲しいかな。私自身が、そんな甘ったれた思考につかろうと体の半分をつけても、横から脇を掴まれて引きずり出されるのが、現実だ。
と言うのも、長期の休みに入ったとは言いながら、その少し前まで受験を終えた生徒が大量にいた我が校に通っていれば、高校時代の大半を部活に費やしていた人間たちもバイトを始める。
そうなれば、話の話題はバイト一色になる。

やれアレを覚えただの、パートのおばちゃんがどうだのと話題は持ち切り。
交友関係が極端に少ない私の耳にも入ってくると言うわけだ。
そんなわけで、不安をあおられた私は大学入学までの長期の休みの間、ふと思い返しては体を震わせることになったのだ。

そして、私の震える振動のせいで、親が「最近地震が多いわね」と話題を出すと言うくだらない妄想をまでしたところで、大学の模擬授業が行われた。
推薦での入試組に行われる早期の体験授業だ。
そして、そこでとある人物と再会することになる。

再会と言っても大それたものではない。
中学で部活が同じで尚且つ高校も一緒。そんな彼と道中で出会い一緒に授業を受けることとなった。
すっかり背が伸びて、モテそうな雰囲気を醸し出すこの男と私は全くの正反対と言えた。
元々陰キャと言うわけではないが、特段陽キャと言うわけではなかった中学時代とは一点、高校生デビューを果たした彼はすっかり陽キャへとジョブチェンジ。
対して私は、高校入学してから少し涼しくなる十月ごろまでクラスLINEに入れなかったカスである。

そんな陽キャと他数人(同じクラスから進学した人間と合流した)で授業を受けつつ話をする。
講師が話しているのにペラペラと話している生徒たちで埋まった教室で、彼と雑談しつつ私は切り出した。

「バイトってもう決めた?」

一人でバイトなど無理。こいつを巻き込んでやろう。そんな魂胆だった。
高校ではあまり接点はなかったが、顔を合わせるたびに話しかけてくれた聖人のこいつならば「いいよ!」と言ってくれるだろうと。
そんな甘い目論見は打ち砕かれる。
NOと言われたわけではない。
当然、彼ともあろう人間がこの時期にバイトを始めていないわけがないのだ。

だが、瞬間彼の聖人オーラが増す。こいつ「発」を!?

「お前も来れば。一緒にやろうぜ」

神か?
この陽キャ野郎は体の芯まで陽キャになったらしい。
昔は結構くそだったのに。鼻くそほじってたのに!成長していないのは私だけらしい。

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