貯金とミニマリズムは、正反対じゃなかった|気づいた一つの共通点
将来のために貯めるお金、将来のために減らすモノ|貯金とミニマリズムの共通点
増やすことと減らすこと。反対に見える二つが、私の中では同じ場所につながっていました。子どもが3人いると将来のお金について考える機会が増えます。教育費はいくら必要なんだろう。家を購入したときには、この住宅ローンは、いつ払い終わるんだろうと、その先自分たちが年齢を重ねて、今のようには働けなくなったらどうするのか。
老後2,000万円問題なんて言葉も聞くようになり、ファイナンシャルプランナーの記事を読んだり、ネットで調べたりしました。でも調べれば調べるほど、結局自分たちはいくらあれば安心なんだろう。
そしてあるとき思ったんです。これって、モノも同じなんじゃないかと
将来いくら必要なのか、父には分からなかった
将来必要なお金には、ある程度の目安があります。
子どもたちの教育費。住宅ローン。自分たちの老後の生活費。突然の病気や、大きな出費があるかもしれません。もちろん計算はできます。
でも、30年後の生活を正確に予想することなんてできません。何歳まで働いているのか。どんな仕事をしているのか。子どもたちがどんな道へ進むのか。自分たちがどんな暮らしをしているのか。考えれば考えるほど、
「もっと貯めた方がいいんじゃないか」という気持ちにもなります。
父もそうでした。だから固定費を見直しました。
毎月なんとなく出ていくお金の中に、今の自分たちには必要のないものがないかを考える。そして、浮いたお金の一部で投資も始めました。
投資を始めて複利について知り、今のお金が長い時間をかけてどう増えていく可能性があるのかも少しずつ分かってきました。
だからといって、将来への不安がなくなったわけではありません。
「もう大丈夫」なんて、とても言えません。
ただ、それまでの父は霧の中を手探りで歩いているような感じでした。
どちらへ進めばいいのか分からない。どれくらい進めばいいのかも分からない。
それが、お金について調べて、自分なりに行動するようになってから、
霧の向こうにうっすら道が見えてきたような感覚になりました。
まだ先までは見えない。でも、とりあえず進む方向は分かる。
それだけでも、少し気持ちは楽になりました。
「いつか使う」は、たくさんあった
一方で、父はずっとモノも減らしてきました。
振り返ってみると、家には「将来使うかもしれない」と残していたモノがかなりありました。服もそう。靴もそう。
昔はスノーボードにも行っていたので道具も持っていました。
子どもたちが生まれる前の生活では、それが普通だったんです。
「また来年行くだろう」「持っていれば、いつでも行ける」そう思っていました。
でも子どもが生まれ、生活が変わりました。
気づけばスノーボードへ行かなくなっていました。CDやDVDも同じです。
昔は音楽を聴いたり映画を見たりするために持っていましたが、今ではNetflixなどの配信サービスで楽しめる。
昔は必要だったモノが、今の生活では必要なくなっている。
将来必要になるモノを、今の自分がすべて予想することなんてできない。
「いつか使うかもしれない」と残しておいても、そのいつかが来る前に、自分の生活そのものが変わることがあります。時代だって変わります。
だったら、未来のために何でも残しておく必要はないのかもしれません。

お金は残して、モノは減らす
将来が不安だから、お金は貯めておきたい。でも、将来が分からないからこそ、モノは持ちすぎない方がいい。行動だけ見れば、 真逆 です。
お金は残す。モノは減らす。
でも父の中では、どちらも同じ方向を向いていました。それは、未来の選択肢を増やしておくこと。お金は、使い道を後から決められます。
教育費にもなる。住宅ローンにも使える。家族で旅行に行くことだってできる。仕事を変えたいと思ったとき、少し立ち止まるためのお金になるかもしれません。
一方で、 モノは持てば持つほど自由になるとは限りません。
置く場所が必要になる。片付ける。探す。選ぶ。管理する。父自身、モノを減らして一番感じたのは、部屋が広くなったことよりも、
選択する時間が減ったことでした。服が少なければ、朝に迷う時間も少ない。持ち物が少なければ、探す時間も減る。管理するモノが減れば、そのことを考える時間も減ります。
お金を貯めることで、未来に使える余白をつくる。
モノを減らすことで、今の時間に余白をつくる。
そう考えると、貯金とミニマリズムは、思っていたよりずっと近いものなのかもしれません。
一番増えたのは、家族との時間だった
固定費を見直して、投資を始める。必要のないモノを少しずつ手放していく。それで父の人生が劇的に変わったかと言われれば、そんなことはありません。将来のお金について考えることもあります。不安になることだってあります。家の中にも、まだモノはあります。それでも昔と比べると、少し気持ちに余裕ができました。そして何より大きかったのは、時間が増えたことです。探す時間。選ぶ時間。片付ける時間。モノについて考える時間。
そういう小さな時間が減って、その分、家族と過ごせる時間が増えました。
余裕というものは自分一人だけのものではないのかもしれないと思っています。
自分に余裕がないと、ちょっとしたことでイライラする。
家族の何気ない一言にも、余計な反応をしてしまうことがあります。
反対に、自分の気持ちに少し余裕があると、家族との接し方も少し変わる。
自分の気持ちの余裕は、周りにも伝染する。
父はそんな気がしています。
だから、モノを減らすことも、お金を貯めることも、最終的には家族とどう暮らしたいのかにつながっているのかもしれません。

お金があることと、豊かであることは同じじゃない
子どもたちへ。
これから大人になれば、お金について考えることがたくさん出てくると思います。どれくらい稼げばいいのか。いくら貯金すればいいのか。家を買うのか。何にお金を使うのか。父から「こうしなさい」と言える答えはありません。ただ、一つだけ覚えておいてほしいことがあります。
お金がすべてではありません。
お金があることと、豊かであることは、きっと同じじゃない。家族と過ごす時間。好きなことをしている時間。誰かと笑った時間。健康でいられること。お金では買えないものは、たくさんあります。でも同時に、父はお金を否定するつもりもありません。お金があることで自由になれることがあるのも事実です。仕事を選べるかもしれない。住む場所を選べるかもしれない。大切な人と過ごす時間を増やせるかもしれない。だから大切なのは、
「いくら持っていれば幸せなのか」だけを考えることではなく、
「自分は、どこへ向かっていきたいんだろう」と考えることなんじゃないかな。
向かいたい場所が分かれば、必要なお金も、必要なモノも少しずつ見えてくると思います。もし君たちがいつか分からなくなったら、そのときは一緒に考えてみようか。
父もまだ、答えを探している途中だから。
貯めることも、減らすことも
将来のために、お金を貯める。将来のために、モノを減らす。一見すると反対の行動です。でも父にとっては、どちらも人生に余白をつくるためのものになりました。お金の余白、空間の余白、心の余白、そして、時間の余白、たくさん持つことを目指すのではなく自分たちに必要なものを考える。その先に父が大切にしたい暮らしがあるような気がしています。
貯めることも、減らすことも、きっと自分の時間を取り戻すためにある。

自己紹介 モリさん 1986 五人家族
3児の父。会社員をしながら、時間に自由な身軽な生き方を目指し中。所持品100個以下の暮らしと、そこで得た気づきを子供たちへの手紙として綴っています。他の記事もぜひ読んでみてください。
