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永遠の0|読書ログ#27|「生きる」という名の静かな戦い

【あらすじ】
百田尚樹の小説『永遠の0』は、実の祖父の足跡を辿る青年が、封印された過去を知る物語。 終戦間際に特攻で亡くなった宮部久蔵は、当時「海軍一の臆病者」と蔑まれるほど生に固執した男だった。 凄惨な戦場での証言を集めるうちに、彼がなぜ最後に「死」を選んだのかという驚愕の真実が浮かび上がる。

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【読んだきっかけ】
世界がピリついている昨今、あえて「戦争」をテーマに選びたかった。
少し青臭い動機かもしれないが、今、このタイミングで読んでおかなければという、焦燥感に近いものがあった。

【感想】
「生きて帰る」ことに執着し、臆病者と呼ばれた宮部久蔵。
戦時下という「死ぬことが美徳」とされた狂気の中で、彼が貫いた「生」への執着は、並々ならぬ覚悟どころではない。正直、読みながら何度も胸が苦しくなった。

かつての戦友たちが語る宮部の評価は「天才」から「卑怯者」まで激しく割れる。それらは結局、それぞれの立場からの主観でしかない。けれど、その主観がぶつかり合う描写があまりに生々しく、「正解なんてどこにもない」という現実に突き落とされるような感覚があった。

物語は現代の調査という形を取っているが、それがかえって、今を生きる自分との距離を無理やり詰め寄せてくる。
当時の価値観と、宮部の「生きることが誠実」という信念の衝突。その狭間で揺れる彼の姿を追うのは、「もし自分だったら?」という問いを常に突きつけられているようで、正直しんどかった。

【読みやすさ】
600ページ近い大作。重いテーマゆえ、ページをめくる手が止まる瞬間も多かった。 けれど、宮部がなぜ特攻を選んだのか、その理由が解き明かされ、現代の「自分たち」にその意志が繋がった瞬間は、ベタだと分かっていても鳥肌が止まらなかった。読み終えた後の達成感と同時に、得体の知れない重苦しい充実感が胃のあたりに残っている。

【読後の一語】
継承

【まとめ】
教科書では決して学べない「感情の歴史」がここにある。
綺麗事では済まされない「守るべきもの」を再確認させてくれる、凄まじい筆力の一冊だ。 万人におすすめできる軽さはない。けれど、今の時代に不安や違和感を抱えているなら、腰を据えてこの熱量に晒されてみてほしい。

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