錦織選手 最後の輝き
2018年の楽天オープンで初めてプロの試合を見た。錦織圭対ガスケだった。
「頑張っている感じがしない」
違和感を覚えた。
しかし、ラケットから放たれるボールは、ものすごい回転がかかり、正確無比にコートの隅をついていく。みずみずしい新緑の葉が、清流にゆらゆらと流れていく。規則性がないようで、規則的でもある。錦織選手の動きは、そんなイメージを想起させた。
1試合を通して、違和感の答え探しをした。結論は、究極に無駄な動きがないのだ。ガスケも一流で、無駄な動きはなく、片手バックハンドの鋭さは目を見張るものがあったが、錦織のオーラのような雰囲気は格上だった。
28歳の錦織は怪我を重ねながらも円熟期だった。そのプレーを間近で見られたのは貴重な経験だった。
錦織はそれまでガスケに負け越しており、第1セットで接戦だったため少し心配したが、第2セットは6−1で勝負をつけた。
錦織も苦手意識を持っていたのだろうか。試合が終わったあとに、ほっとした表情とともに、右手の拳をゆっくり突き上げて勝利を喜んだ。
2025年 ジャパンオープン
今年も9月下旬にジャパンオープン(2023年にスポンサーが楽天から木下グループに変更)が開かれる。
2024年は、錦織と新星・坂本怜のダブルスを見ることができた。さすが錦織というショットを繰り出し、坂本もそれにひっぱられるように良いショットを打つ。
錦織は会見でも坂本を「光」と評したが、試合からも日本の未来は託したぞ、というメッセージを感じることができた。
今年は3日間チケットを確保した。
家族分を含めて結構な出費となったが、気にならない。なんといっても、今一番応援しているカルロス・アルカラスが参戦するからだ。ついに近くで見られる(はず。組み合わせがまだ不明のため)。
錦織はワイルドカードで出る予定。ケガの状況が心配だが、おそらく自分が生で見るのはこれが最後になるだろう。輝きを目に焼き付けたい。
*この記事を執筆後、錦織はケガで欠場を発表。残念。

スタンスを広く取り、体重は母指球に乗り、膝はつま先より前に出ず、背骨はまっすぐ。
理想的な、反応速度を高めるためのパワーポジション。
この距離感で見られたのは貴重な経験だった。
