数学潜在能力を測る!
数学はポテンシャルを引き出すことが大切!
卒業生を出してみて,教員がやるべき仕事は生徒のポテンシャルを最大限に引き出すことなんじゃないかと思うようになりました。人間相手のことなので,全員が均一に成長することはありません。そう考えると,まずは目の前の頑張ろうとしている子を思いっきり伸ばしてあげる。そして,その姿を見て次の頑張ろうと思う子につなげていくのが良いと現状思っています。
よく,放課後に成績が振るわない生徒を残して補習をする学校もありますが,生徒も嫌々,教員も時間を取られる,そして、結果として生徒は数学が嫌いになるという悪循環だと思っています。
本人が必要だと思わなければ,どんなアドバイスも意味をなさないということだと思います。
数学のポテンシャルを測る!
私の勤務する学校では入学前にクラス分けテストがあるのですが,それとは別に,私が中学1年生を担当した際に授業または課外授業で行っていることを書いていきます。この活動の中で,今の数学の成績ではなく,今後色々と教えていくと数学力が覚醒するんじゃないか!?という判断をしています。
内容➀ ヌメロン(ヒットアンドブロー)
数学が好きな人の1つの要因として,論理的に推測をしていき,問題を攻略することが面白いというのがあると思います。
このゲームは,対戦形式で互いに決めた3桁の数字を当てていくものです。番号を答え,数字と桁がともにあっていればイート(ヒット),桁は異なるが数字が含まれている場合はバイト(ブロー)となり,その情報から3イート(正解)を目指します。
私の場合は説明をしたあとに,全員で私の決めた数を当ててもらいます。その際に,考え方を共有していきます。「0イート0バイトは不運なのか?」などの問いかけを入れていくと理解が深まります。
生徒達が自由に対戦をしているのを覗きながら,思考の深さを見ていきます。それと同時にやっぱり楽しそうっていうのが大事です。何事も楽しめるこは伸びます!アドレナリン全開です!
内容➁ 30分考えても楽しめる問題
私が数学力が爆発的に伸びるかを判断するときに,1つの問題を面白ければ何時間でも考えられるかを結構重視します。人によっては答えをすぐに知りたがり,飽きてしまうのですが,こうやったら解けるかもと試行錯誤してくれる生徒はとても期待ができます。
とはいえ,ただの難問ではダメです。無駄に計算が複雑はもっとダメです。「ああ!エウレカ!!」となる良問じゃないと意味がないのです。中学1年生はまだ使える知識が少ないので,知識が無くても解ける良問を探します。そのときに役に立つのが,以下の内容です。
・(ジュニア)数学オリンピック,算数オリンピック
・難関校の中学入試
・コマネチ大学数学科の問題 ← オススメ!
・幼女の論理クイズ ←超オススメ!
私が必ず使う問題はこれです。
『1~100の番号が付いたロッカーと1~100番の出席番号が割り振られた生徒がいます。出席番号1番の生徒から順番に自分の出席番号の倍数のロッカーを,すでに開いていたら閉め,閉まっていたら開けるを行っていきます。最初にロッカーが全部閉まっているとき,出席番号100番の生徒がロッカーを操作したあとに開いている閉まっているロッカーは何個ありますか?』
非常に有名な問題なので知っている人もいるかと思います。ポイントは閉まっているということは偶数回操作をしたということです。とりあえず実験してみましょう。
1のロッカーは1番が開けて,そのまま開いている。
2のロッカーは1番が開け,2番が閉めている。
3のロッカーは1番が開けて,3番が閉めている。
4のロッカーは1番が開けて,2番が閉め,4番がまた開けている。
5のロッカーは1番が開けて,5番が閉めている。
6のロッカーは1番が開けて,2番が閉め,3番が開け,6番が閉めている。
ここで「N番目のロッカーを操作するのは出席番号がNの約数番の生徒である」つまり「N番目のロッカーはNの約数が偶数個であれば最終的に閉まっている。」ということになります。
ここで生徒に思い出してもらいたいのは,「ある整数の約数を書きだす作業をするときにどんなことをしたか」です。約数が全て書き出せたかを確認するときに,ペアを作ったことが1度はあると思います。つまり,基本的にはペアができるので偶数個なのです。では,奇数個の場合はどんなことが起こったかというと,4の約数は1,2,4です。真ん中に2が残ります。このときは2×2=4のように考えていたのではないでしょうか。つまり,約数の個数が奇数個になるのは「平方数」の場合となります。よって,100個のロッカーのうち,開いているロッカーは1,4,9,……,81,100の10個となり閉まっているロッカーは90個となります。
1度は目にしたことがある約数のペアを作るという作業から「約数の個数が奇数個になるのは平方数のとき」に気づいたときに,感動があるかが重要なのです。
先ほどあげたサイトには面白い問題がたくさんあります。本当に感謝です。コマネチ大学数学科は問題をまとめてくれているサイトがあるので,よかったら探してみてください。DVDボックスも売られていますよ!
下手の横好き,好きこそものの上手なれ
私達数学教員にできることは,「内容をできるだけわかりやすく伝える」「数学を面白いと思わせる」「数学を通じて,物事の学び方を考えさせる」だと思います。高校3年生にもなるとそんな悠長なことは言っていられませんが,中学1・2年生の段階では「数学が楽しい」「もっと問題を見てみたい」「より高度な内容も知りたい」とつなげ,「気づいたら東大や京大の問題も解けちゃった」になったらラッキーかなと思います。
ひたすらパターン演習を積み重ねることは「積み木を上に積み上げること」だと思っています。そして,こういった思考力育むことは裾野を広げることだと思います。
1つの積み木をひたすら上に積み上げても,いつか崩れ,それ以上高く積み上げることはできません。でも,ピラミッドのように裾野を広げてあげれば結果的に高く積み上げることは可能なのです。
勉強の数学は苦手でも,こういったゲームは好きという人が数学にはまるきっかけにしてみてはいかがでしょうか!
