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愛でる見つける亀甲文様/1

2025年12月某日

着々と師走の押し迫る2025年。来年に向けてそれぞれに準備したり、いやそれどころではなく、まだ今年やり残したことを大急ぎで片付けている人も多いかと。年末って、どこかソワソワとワクワクが入り混じる季節です。
私は、いつもやり残していると言うか、ああ、あれもこれもやろうと思いつつ、また次のことを閃いちゃったりして一年があっという間です。

「文様研究室」を始めてから疑問が先にたって読んだり調べたりで脱線したり、なかなかどう進めていいものやらでした。本当に奥が深すぎる!まあ、一歩一歩しかないですね。と言うことで、もうすぐお正月ですしおめでたいイメージの亀甲文様に着目してみることにしました。

亀甲文様って何?

亀甲文様は、亀の甲羅を模した正六角形を連続させた日本の伝統的な幾何学模様で、「鶴は千年、亀は万年」に由来する長寿や吉祥、繁栄を象徴するとてもおめでたい文様。六角形そのものを2次元に連続させたり、六角形の中に別の文様を配したりと多様なバリエーションがあります。
亀甲文様は、飛鳥時代から奈良時代にかけて、中国大陸や朝鮮半島から日本に伝わったとされています。
もともとは西アジア起源の幾何学文様でしたが、東洋に伝わる過程で亀の甲羅に似ていることから、長寿を象徴する吉祥文様として扱われるようになりました。
日本では古墳時代の遺物からもその図柄が見つかっており、古くから存在していたことが確認されています。飛鳥・奈良時代以降、法隆寺献納宝物の染織品や、平安時代の貴族の服装や調度品に使われる「有職文様(ゆうそくもんよう)」の一つとして定着し、特に品格の高い文様とされていました。

出雲大社の家紋で有名な「亀甲花菱」
上下左右、2次元に広がる亀甲繋ぎ

亀甲文様が庶民の間で広く普及したのは、主に江戸時代に入ってからです。
江戸時代に木綿の生産が本格化し、庶民も着物を日常的に着るようになりました。それと同時に、安価で丈夫な「藍染め」が全国に普及。藍染めの文様として、縁起の良い「鶴亀」を象徴する亀甲柄が非常に高い人気を博しました。
江戸時代の庶民は、文様に意味を込める「縁起担ぎ」を好みました。「鶴は千年、亀は万年」という言葉通り、長寿や家運隆盛を願う吉祥文様として、着物だけでなく布団の皮や手ぬぐいなど、生活用品全般に広く取り入れられました。
九谷焼などの陶磁器や漆器や印伝のデザインにも採用され、多方面から庶民の目に触れるようになりました。
江戸の華である歌舞伎では、役者が舞台で着る豪華な衣装にも亀甲文様が使われ、それが流行の最先端として庶民の間で真似されたことも普及を後押ししました。

研究室的思考①

シンプルだけど象徴的な家紋のような表現で正六角形の中に鶴と亀。紙を四つ折りにして、線対称になるように鶴は向かい合わせ、亀は左右に泳いで行くようなイメージにしています。周囲には、梅の花を散らしておめでたさを満載にしました。以前とあるイベントの装飾として使用するために制作した一枚です。

鶴亀と梅の花

研究室的思考②

嬉野温泉を散歩している時に見つけた川の擁壁に亀甲文様を発見!六角形を繋ぐハニカム構造は、ミツバチの巣のように六角形のセルを隙間なく並べた構造。軽量化と高強度を両立することができるため、飛行機、ロケット、新幹線、建築などなど様々な分野で応用されています。写真のハニカム構造の擁壁は、たぶん昭和の工事でよく使われていたものなのかと。

だいぶ年季の入った蔦と苔が美しい擁壁(嬉野温泉/佐賀)
一枚一枚のタイルは円形で、そのタイルの配置が六角形の連なり
昭和の雰囲気漂う色合いで素敵です。(有田町/佐賀)
猛暑一歩手前の京都で見た日本庭園に咲いていた桔梗も六角形
「旧三井家下鴨別邸」(左京区/京都)

研究室的思考③

今年、3月から4月にかけて開催した個展。アーティストインレジデンスで旅館に滞在して、暮らしながら作品を制作する日々の中で生まれた作品です。雲の漂う風景と小さな街の其処此処に散りばめられる六角形。そんな様々な記憶を再構築した時、こんな表現になりました。どうしてこの形に表現したのか、自分の思考を分析したいところですが、閃きました!
ランダムに六角形の部分を切り取らずに抑揚をつけるて、縦のラインは温泉の湯気のような明け方の雲海のような。背景の風景とともに愛でるために掛け軸のような設にしました。

縦のラインは、温泉の湯気のような明け方の雲海のような。


影がより美しく空間には配置することによって立体作品になる

亀甲文様について、簡単な歴史と風景やかたち、いくつかの作品で綴りました。あるひとつの文様だけでも文様の組み合わせや素材の違いでも無限に広がる世界。ひとつの文様から広がる文様研究室は、次に繋がっていきます。
文様の世界って面白いな、と思ったら『スキ』をいただけると、研究の励みになります!では、また次回!


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