2泊3日ゴルフ旅【妄想編④】#創作大賞2026/ジョージ・ルーカスが監督!スチール・ウォーズ(エピソード10)/フォースより強い2泊3日の力
遠い昔、はるか関東の銀河系で…
銀河ゴルフ圏に、暗黒の時代が続いていた。
悪の帝国軍は、惑星(ゴルフ場)を次々と制圧し、クラブレストランの美食と美酒に溺れながら、その支配は永遠に続くと信じて疑わなかった。最高司令官ダース・バーディー率いる帝国軍の提督や将軍たちは、アルファード ブラックロイヤルラウンジをクラブハウスの正面玄関に横付けし、惑星の長(支配人)にドアを開けさせ、悠然と降り立つ。彼らにとってゴルフラウンドとは戦いではなく、すでに完了している制圧の確認作業に過ぎなかった。
しかし、銀河の片隅で、帝国軍の転覆を静かに狙う者たちがいた。房総特急電車に乗り、クラブバスに揺られ、一般客に混じって惑星へ降り立つ善の反乱軍のルーク・フェアウェイウォーカーである。ファー!と呼ばれる力を持つジェ"パー”イを目指すその質素な姿の裏に、帝国軍が決して知ることのない諜報網が広がっていた。
反乱軍の最大の秘密兵器は、アイアンでもゴルフボールでもなかった。それは2泊3日——ラウンドの前日に惑星に入り、当日も帰らないという、ゴルフでは一般的とは言えない習慣だった。しかし、その習慣が、すべての勝負を決めていた。
各惑星には、すでに反乱軍のジェ"パー”イが、多数潜伏していた。魚屋の店主、餃子屋の常連客、タクシーの運転手、ひよどり坂の老婆。彼らは普通の市民に見える。しかしその正体は、反乱軍の勝利を支える精鋭の諜報網だった。
反乱軍は今日も、次なる惑星へと向かっていた。アイアンを握り、2泊3日の作戦を胸に秘め、房総特急電車の窓から流れる景色を静かに眺めながら——
銀河ゴルフ圏の覇権は、まだ決まっていない。
①ルーカスさんがあなたの記事にスキしました
2泊3日ゴルフ旅を投稿した。妄想編も3本投稿した。
民放版、Netflix版、ハリウッド版。配役を考え、ドラマを妄想した。
すると通知が来た。
「ルーカスさんがあなたの記事にスキしました」
そして、メッセージが届いた。差出人はジョージ・ルーカスだ。
「はじめまして。こんにちは。毎回楽しみに拝読しております。私は、ジョージ・ルーカスと申します。スター・ウォーズの初期の作品を監督した者でございます。本人です!(笑)スター・ウォーズは、大人の事情で監督がコロコロと代わっているのは、すでにご察しかと存じます。さて、最近ではJ・J・エイブラムスやジョン・ファヴローが監督をしており、超大作を安定的に成功させる、才気あふれるプロデューサー兼監督などとハリウッドで評されているのです。くやしい、くやしいのです。私の独創的に想像した世界観が崩されているのです。クリエイターとしての自負が崩れかけているのです。その時、日本のクリエイター集団が集まるnoteを見ていると貴殿の投稿にあたりました。#創作対象2026に応募している事を承知の上で、貴殿の脚本を基にふたたび、壮大なアクション・サーガを監督したいのです。ライトセーバーはアイアン。光弾銃ブラスターはゴルフボールというアイデアやスター・ウォーズではなく、スチール・ウォーズとのタイトルも考えてります。長文にわたり、かつ文章が整わぬままお送りすることをお詫び申し上げます。要領を得ない文面ではございますが、内容のみお酌み取りいただけますよう、又、ご検討くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
ジョージ・ルーカス拝」
断る理由がなかった。こうして、スチール・ウォーズ/エピソード10が誕生した。
②ルーカスの世界観
本作の舞台は、はるか関東の銀河系の惑星(ゴルフ場)である。
宇宙に無数に存在する惑星は、それぞれ一つのゴルフ場だ。惑星イチハラ、惑星ハンノー、惑星トウガネ、惑星サクラ——それぞれ固有のクラブレストランがあり、砂の重さ、風の強弱、グリーンの速さが異なる。
この惑星では、ライトセーバーアイアンを握る者だけが戦えるのである。そして、光弾銃ブラスターゴルフボールが想定していない方向(スライス/プッシュやフック/チーピン)に飛んだ際には、ついの「ファー!」の力がさく裂するのである。
③反乱軍の秘密兵器「2泊3日」
反乱軍には、帝国軍が知らない習慣があった。
2泊3日。
ラウンドの前日に惑星入りする。これは単なる旅好きの習慣ではない。帝国軍打倒のための、諜報活動だ。
そして各惑星には、すでに反乱軍のジェ"パー”イが潜伏していた。彼らは普通の惑星の一般市民に見える。魚屋の店主、餃子屋の常連客、タクシーの運転手。しかし、その正体は、ルーク・フェアウェイウォーカーの作戦を支えるジェ"パー”イの一員だ。
房総特急電車を降りたら、まずはビジネスホテルに荷物を預ける。そこからは徒歩で街に出る。追跡を恐れ、スマートデバイスは持たない。ナビも使わない。ただ、街中で「ファー!」の力をさく裂させれば、ジェ"パー”イと接触できるのであった。
惑星イチハラ、ジェ"パー”イ「魚屋」との接触
Sarashina-dori Streetの魚屋。白身の刺身を注文すると、中にレモンが一切れ。白身にレモンは付かない。これが暗号だ。「明日の風に注意せよ!」
惑星ハンノー、ジェ"パー”イ「満州の常連」との接触
餃子の満州。タレを4種類すべて試す常連客がジェ"パー”イだ。ジェ"パー”イは囁いた。「最近、新しいメニューが出てね」これが暗号だ。「明日、ダース・バーディーが来る!」
惑星トウガネ、ジェ"パー”イ「配車係」との接触
タクシー会社。「10分ほどお待ちください」配車係は、ジェ"パー”イだ。これが暗号だ。「いよいよ10番ホールで総攻撃を行う!」
帝国軍は、その日に来て、その日に帰るので知らなかった。魚屋も、餃子屋の常連も、タクシーの配車係、——すべて反乱軍のジェ"パー”イだったことを。
2泊3日は旅ではなかった。銀河規模の作戦会議だったのだ。
④決戦 10番ホール
OUT(前半)の9ホールが終わった。
帝国軍のダース・バーディーは上機嫌だった。ドライバーは曲がらず、アイアンでのアプローチは寄る。クラブレストランに引き上げたダース・バーディーは、どっかりと椅子に座り、生ビールを一気に傾けた。続いてメガハイボール。ゆで落花生をつまみながら、うな重の蓋を開けた。
「やはり、関東の銀河系の惑星は良い。この銀河系に敵はいない!」
ダース・バーディーは笑い、提督や将軍も笑った。ストームトルーパーたちはアルファード ブラックロイヤルラウンジの運転手控室で、スマホを手にYouTubeショートを見ていた。子猫の動画が終わり、次の動画へ。誰もこれから計画されている外の異変に気づく由もなかった。
その頃、10番ホールの林の中では、静かな計画が進んでいた。
魚屋の店主が、割烹着のまま木の陰に身を潜めた。餃子の満州の常連客が、タレの染みたシャツで枝をかき分けた。東金のタクシー運転手が、メーターを倒したまま茂みに入った。
IN(後半)がスタートした。帝国軍のダース・バーディーが10番ティーグラウンドに立った。メガハイボールと豪勢なうな重で満たされたダース・バーディーは、豪快にアドレスを取り、クラブを振り上げた——その瞬間だった。
反乱軍のルーク・フェアウェイウォーカーが、無言で右手を上げた。
林が、動いた。
ジェ"パー”イの全員が一斉に光弾銃ブラスターゴルフボールを打ちまくった。白い弾丸が林から次々と飛び出し、ティーグラウンドを埋め尽くした。魚屋の店主の一撃は鋭く低い弾道。満州の常連はドロー。タクシー運転手の球は「ファー!」の力でパワーフェードに変わった。
ダース・バーディーは絶句した。光弾銃ブラスターが、実の息子のルーク・フェアウェイウォーカーに命中する弾道だったのだ。息子を守るために父親は光弾銃ブラスターを自ら浴び、生命維持装置が破壊された。
⑤エピローグ 沈む太陽と、次の惑星へ。
帝国軍のアルファード ブラックロイヤルラウンジが惑星を去った。
反乱軍のルーク・フェアウェイウォーカーは、18番グリーンの端に一人立ち、西の空を見た。
関東のどこかの惑星に、二つの太陽が沈もうとしていた。ひとつは大きく赤く、もうひとつは少し小さく、橙色に滲んでいた。まるで父親と息子の様に。
関東の銀河を制するのは、フォースではない。2泊3日だ。
——スチール・ウォーズ、エピソード11へ続く
