【心理】『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』加藤諦三🥀|読書感想文|蒼井レオン
基本情報

著者:加藤諦三(かとうたいぞう)
タイトル:なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか――「ナルシシスト」という病
出版社:三笠書房
発売日:2016/9/7
ページ数:204ページ
概要・あらすじ
一見いい人なのに、自分にしか興味がない、わがまま、不幸自慢、人の話を聞けない。それらはすべてナルシシストの症状。
ナルシシストであればあるほど、現実に傷つきやすくなる。
ナルシシズムから解放されれば、人を憎んだり、責めたり、恨んだりしないで、いつも生きていける。
人の言動に過敏に反応して苦しむこともない。
ナルシシストの心理などを解説した一冊。
目次
なぜ、あの人は些細なことで、すぐ「不機嫌」になるのか
心のなかで何が起こっている?「ナルシシスト」とは何か
それは単なる「うぬぼれ」ではなく、もっと根深い問題「無条件の愛」「思いどおりのパートナー」を求めて
「幸せへの最短ルート」はどこにある?「自己愛」をこじらせる日本人
「経済的な豊かさ」から「心の豊かさ」へシンプルに生きる、たった一つの方法
自由に、肩ひじ張らず、もっと身軽な人生
感想・おすすめポイント
心の底にあるのは「孤独と恐怖」
ナルシシズムは「賞賛依存症」
解消方法は「好きなことを見つける」
本書は、ナルシシストの心理やナルシシズムの解消方法などを解説した一冊です。
そもそもナルシシストとは、人が自分をどう見ているかを気にする目立ちたがり屋。
いつも誰も私の苦しみを分かってくれないと苦しんでおり、天国のように見える環境にいても不幸だと指摘しています。
心の底にあるのは孤独と恐怖で、いつもビクビクして平常な気持ちを維持するのに精一杯。
たとえ意識の上では高い自己評価でも、無意識では逆に空虚感に悩み、自己蔑視している。
とにかく劣等感が深刻で、本当の自分がバレないかとビクビクしている。
表面上は自己陶酔しながらも、その心の本質は劣等感だと述べられています。
自分自身であろうとすること、別の言い方をすれば、幸せになることの最大の障害はナルシシズムで、ナルシシズムとは「賞賛依存症」。
ナルシシストにとって、自己の存在証明は他者の賞賛。
したがって批判されることは自己の存在証明を否定されることで、その怒りと落ち込みは常人には想像を絶するものがあるといいます。
人間は生まれて以来、成長欲求と退行欲求の葛藤の中で生きており、成長欲求が勝った者は幸せに、退行欲求が勝った者は不幸になる。
ナルシシズムは成長の敵、つまり幸せの敵とも述べられています。
ナルシシズムを解消する方法は「苦しい!」と訴えるよりも、自分のナルシシズムに気がつき、他者のことを考えること。
ナルシシストは好きなものがない、好きな人がいないことも重要な特徴で、自己陶酔しているから対象(他者)への関心がないと指摘しています。
とにかく何でもいいから好きなことを見つけ、自己賞賛のためではなく、自分が興味あることにエネルギーを注ぐことが大切。
まずは自分は自己執着が強いから対象への関心がないと認め、次に賞賛がなくても楽しく生きている人を観察して見習うといいと述べられています。
全体的に辛らつな語り口ながらも、ナルシシズムの問題が想像以上に重く根深いことを痛感します。
虐待や離婚、事件、戦争などの背景にもナルシシズムが関係している可能性があり、人間関係や社会に与える影響は少なくないと感じられます。
また単にナルシシズムの特徴を述べるだけでなく、原因や解消方法なども紹介されている点も嬉しいポイントです。
なお、本書には他にも2種類のナルシシストに共通することや、ナルシシストと感情の激しい人の違い、ナルシシスト度を測る8つのチェックリスト、ナルシシズムと被害者意識&悲観主義の関係などが紹介されています。
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