Mac mini M4にポートが足りない問題、CalDigit TS4で全部解決した話
Mac mini M4、めちゃくちゃ良いマシンです。Apple Silicon 世代で最もコスパが高いと言ってもいい。あの小さな筐体に M4 が入っていて、普段の作業で性能に不満を感じることはまずない(M5 搭載の噂もあるけど、M4で十分じゃね?とは思う)。
Mac mini M4 ポートが足りない問題
そんな Mac mini M4 だが、ただ、ひとつだけ確実にぶつかる壁がある。ポートが足りない問題だ。いままでさまざまな Mac を使ってきた人の場合、外付けの HDD や SSD などの周辺機器を多く持っているはず。それに USB-A の USB メモリもあるかもしれない。
M4 の背面には Thunderbolt 4 が3つ、USB-C が1つ、HDMI が1つ、Ethernet が1つ。前面に USB-C が2つ。数字だけ見ると「十分じゃない?」と思うかもしれない。でも実際に使い始めると、これが驚くほどのスピードで埋まっていくし、そもそもレガシーとも言える USB-A ポートが1つもないのだ。

自分が持っている周辺機器はこんな感じ
外付けSSD 1台(USB-C)
外付けHDD 3台(USB-A)
Webカメラ(USB-A)
27インチ 4Kディスプレイ(USB-C)
24インチ HDディスプレイ(HDMI)
オーディオインターフェース MOTU M4(USB-C)
これだけ並べると、Mac mini M4 のポートだけでは物理的にまかないきれないのがわかると思う。USB-Cポートは4つ必要だし、USB-A機器が4台もある。そもそも Mac mini M4 にはUSB-Aポートが存在しない。
じゃあ Amazon やヨドバシで売ってる数千円の USB-C ハブを買えばいいかというと、これが意外とそうでもない。安価なハブはオーディオ機器との相性問題が起きやすいし、給電能力もまちまちで、接続が不安定になることがある。これでは正直心もとない。
そこで導入したのが、CalDigit TS4 という Thunderbolt 4ドックだ。
USB-Aポートも5つ備えていて、HDD やWebカメラをそのまま繋げられる。自分はさらに USB-A ハブを1つ TS4 に追加して、HDD 3台とWebカメラをまとめて収容している。結論から言うと、Mac mini M4 のポート問題はこれ1台でほぼ完全に解決した。
CalDigit TS4とは何か
CalDigit TS4 については、以前の記事「Mac mini M4 までの道のり(2)」でも紹介したが、改めてポイントを絞って書いておく。
CalDigit はアメリカに本社を置くドッキングステーション専門メーカーで、Thunderbolt の開発パートナーでもある。Thunderbolt を知り尽くしたメーカーが作ったドックなので、品質と安定性の面で信頼できる。
TS4 は Thunderbolt 4 対応のドッキングステーションで、搭載ポートは全18ポート。Thunderbolt 4 が3つ、USB-C(10Gbps)が3つ、USB-Aが5つ、DisplayPort 1.4、SD/microSD カードスロット、2.5GbE イーサネット、オーディオ入出力が3系統。Mac mini M4 には USB-A ポートが1つもないので、この USB-A が5つあるというのが実運用では本当に助かる。

前回の記事でも触れたけれど、欠点を挙げるとすれば発熱。ヒートシンクを兼ねたアルミ筐体は見た目通りかなり熱くなる。あと 230W の AC アダプターが本体と同じくらいのサイズなので、デスク周りの収納場所は事前に考えておいた方がいい。
価格は購入時で 58,300 円だった。決して安くはないが、安価なハブを何個も買い足して不安定さに悩むよりは、最初からこれ1台で済ませた方がトータルで合理的だった。
なお、2025年には Thunderbolt 5 対応の後継モデル「TS5」や「TS5 Plus」が登場し、現在 TS4 と併売されている。TS5 は Thunderbolt 5 ポートが4つ(80Gbps)、140W のホスト給電に対応した15ポート構成。さらに上位の「TS5 Plus」は20ポートで USB-A が5つ、10GbE イーサネット搭載とさらに強力だ。Thunderbolt 5 対応の Mac を使っている人や、将来の拡張性を重視する人は TS5 シリーズも選択肢になる。
Mac mini M4 との接続は付属している Thunderbolt 4 ケーブル(0.8m)1本で接続すれば完了だ。この長さで足りない場合は単なる USB-C ケーブルでは THunderbolt 4 の規格にあわない場合もあるので、 Anker などの信頼できるメーカーの Thunderbolt 4 対応ケーブルが必要になるので注意が必要だ
自分の接続構成を全公開
実際にどんなふうに繋いでいるか、写真で見てもらった方が早いと思う。

Mac mini M4 の背面。左から電源、Gigabit Ethernet、HDMI、そして Thunderbolt 4 が3ポート。見ての通り、Ethernet 以外ケーブルでほぼ埋まっている。HDMI には24インチの EIZO EV2451 を縦置きで接続していて、サブディスプレイとして使っている。Thunderbolt 4 ポートには、外付け SSD(2TB)、27インチ 4K ディスプレイの EIZO EV2740X、そして CalDigit TS4 がそれぞれ1本ずつ刺さっている。つまり Mac mini 本体だけで Thunderbolt 4 ポート3つのうち3つとも使い切っている状態だ。

こちらが TS4 の背面。上部に USB-C DATA ポートと DisplayPort 1.4、中段にヘッドフォン出力とマイク入力の3.5mmジャック、下段に USB-A ポートと Thunderbolt 4 ポートが並ぶ。ここに MOTU M4(オーディオインターフェース)を USB-C で、Web カメラを USB-A で接続している。背面の USB-A ポートには USB-A ハブを1つ追加して、外付け HDD 3台をまとめて収容している。

整理すると、Mac mini M4 本体から直接繋いでいるのがディスプレイ2台と SSD、TS4 経由で繋いでいるのがオーディオインターフェース、Web カメラ、HDD 3台という構成になる。Mac mini M4 のポートだけでは物理的に収まらない機器を、TS4 が全部引き受けてくれている形だ。
ポイントは、帯域や安定性が求められるディスプレイと SSD は Mac mini M4 に直接繋ぎ、データ転送速度がそこまでシビアではない HDD や Web カメラは TS4 経由にしているところ。オーディオインターフェースの MOTU M4 は USB 2.0 で動作するので、TS4 経由でもまったく問題ない。こういった振り分けを考えられるのも、ポートの選択肢が増えた TS4 のおかげだと思う。
使ってわかった良い点・注意点
TS4 を導入してからそろそろ2年経つので、実際に使い続けて感じたことを書いておく。
まず良い点。何より安定している。安価な USB-C ハブだと、スリープ復帰後にデバイスを見失ったり、接続が不安定になったりすることがあるけれど、TS4 ではそういったトラブルがほとんどない。Mac mini M4 をスリープから復帰させても、TS4 経由で繋いでいる MOTU M4 や HDD がそのまま認識される。これは毎日使う道具として本当に大事なことで、「繋がるかな?」というストレスがゼロになった。
USB-A ポートが5つあるのも、実用面でかなり助かっている。Mac mini M4 には USB-A ポートが1つもないので、USB-A 機器がまだ手元にたくさんある人にとって、変換アダプタなしでそのまま繋げるのは地味にありがたい。SD / microSD カードスロットが前面にあるのも、ハンディレコーダーで録った音声データやドライブレコーダーの映像を取り込むときに重宝している。
2.5GbE のイーサネットポートもおまけ程度に考えていたのだが、NAS や有線ネットワークを使う場面では1GbEとの差を体感できる。Mac mini 本体にもGigabit Ethernetはあるけれど、将来的に2.5GbE対応のルーターや NAS を導入したときにそのまま活かせるのは先行投資としても悪くない。
一方で注意点もある。前回の記事でも触れたが、発熱はそれなりにある。TS4 の筐体はヒートシンクを兼ねた設計なので、触ると「熱い」と感じるレベルになることがある。故障するほどではないし、昔の Intel Mac などではもっと発熱することもあった。でも、密閉されたラックの中に入れるのはやめた方がいい。自分はデスクの上にそのまま置いて、周囲にある程度の空間を確保している。
もうひとつ、macOS のスリープ復帰後にオーディオ周りがおかしくなることがまれにある。これは TS4 というよりは macOS 側の CoreAudio の問題なようで、MOTU M4 から音が出なくなったり、Reaper や Adobe Audition が音声デバイスを見失うことが2度ほどあった。こうなったときはターミナルから
$ sudo killall coreaudiodを実行すると CoreAudio デーモンが再起動されて復旧する。2年で1度だけの経験なのだが、オーディオインターフェースを TS4 経由で使う人は覚えておいて損はないと思う。
注意点としてはもう1つ、 microSD カードの取り外しの時にも注意をしたい。microSD を挿入するときには、カチリと音がするまで差し込むのだが、これを取り外すときには、その「カチリ」という音がしない点がある。一度押し込み、その後カードの先を爪でつまんで取り出すしかないので、始めはちょっと戸惑った。
そして、最後に AC アダプターの件も触れておいた方がいいかもしれない。230W の専用ACアダプターは TS4 本体よりもちょっと小さい程度のサイズで、正直かなり大きい。デスク上に置くと目立つし、裏に回すとケーブルの取り回しが増える。購入前に「この塊をどこに置くか」は考えておいた方がいい。

USB-Cハブとの違い、誰に必要か
Amazon で「USB-C ハブ」と検索すると、3,000円〜5,000円台の製品がずらりと並ぶ。それに対して CalDigit TS4 は5万円台。10倍近い価格差がある。正直に言って、全員に TS4 を勧めるつもりはない。
USB-C ハブで十分な人は確実にいる。外付けストレージを1台繋いで、たまにSDカードを読むぐらいの使い方なら、数千円のハブで事足りる。出先で MacBook に一時的にポートを足したいだけなら、持ち運べるコンパクトなハブの方がむしろ合理的だ。
TS4 が必要になるのは、こういう人
まず、常時接続する機器が多い人。自分のようにディスプレイ2台、オーディオインターフェース、外付けストレージ複数台、Webカメラといった構成を毎日使うなら、安定した接続と十分なポート数が必要になる。安いハブを2〜3個買い足して数珠つなぎにするより、TS4 を1台置いた方がトラブルは圧倒的に少ない(数珠つなぎは見た目もよくない)。
次に、オーディオや映像を扱う人。DTM やポッドキャスト収録、動画編集など「途中で接続が切れたら作業がやり直し」になる用途では、接続の安定性が最優先になる。TS4 はThunderbolt の開発パートナーでもある CalDigit が作っているだけあって、この点の信頼感が違う。
それから、USB-A 機器がまだたくさん残っている人。キーボード、マウス(私はどちらも Bluetooth で接続しているが)を有線で接続している人、外付けHDD、Webカメラなど、USB-A のまま使い続けたい機器が手元にある人にとって、USB-A が5ポートあるTS4 は変換アダプタ地獄から解放してくれる。
逆に言えば、MacBook Pro / Air / Neo を持ち歩くのがメインで、デスクトップ的な使い方をしない人にはオーバースペックだ。また、Thunderbolt 5 対応の Mac を持っていて将来への投資を優先したい人は、後継の TS5 シリーズを検討した方がいいかもしれない。ただし先述の通り、Mac mini M4 は Thunderbolt 4 なので、現時点では TS4 で十分すぎるほどの性能を発揮してくれている。
5万円台という価格は確かに高い。でも「デスク周りの接続ストレスが完全にゼロになる」ことに価値を感じるなら、十分に元は取れる買い物だと思う。

まとめ
Mac mini M4 は、Apple Silicon 世代で最もコスパの高いデスクトップだと思っている。32GBメモリと2TB SSD を積んだ構成なら、日常のブラウジングからプログラミング、Web制作、音楽制作、動画制作、写真・オーディオ加工まで、何をやっても余裕がある。
ただし、ポートの少なさだけは本体だけではどうにもならない。USB-A ポートがゼロという割り切りは Apple らしいけれど、現実にはまだ USB-A の機器を使っている人の方が多いはずだ。
CalDigit TS4 は、その弱点をまるごと補ってくれるドックステーションだった。Thunderbolt 4 ケーブル1本を Mac mini に繋ぐだけで、オーディオインターフェース、Webカメラ、外付けHDD、将来増えるかもしれない機器の分まで、全部まかなえる拡張性が手に入る。導入してから半年以上、接続トラブルで作業が止まったことは一度もない。
発熱や AC アダプターのサイズ、そして5万円台という価格は人を選ぶ。でも「Mac mini M4 を本気でデスクトップ環境として使い倒したい」と思っている人には、自信を持っておすすめできる。自分にとっては、Mac mini M4 と TS4 のセットで、ようやく快適なデスクトップ環境が完成したと思っている。
サポート体制について
実は始めに納品された TS4 に若干の初期不具合があった。これをサポート対応してくれる日本の会社に連絡をしたところ、すぐに代替機を発送してくれた。もちろん、代替機は問題なくそのまま、不具合のあった TS4 を送り返して対応は完了。とてもいいサポートだったことを付け加えておきたい。
TS5 について
私の SoC は M4 なので Thunderbolt 4 なのだが、 Thunderbolt 5 に対応している MacBook Pro や Mac mini M4 Pro 、 Mac Studio を使っている人であれば、 TS4 よりは TS5 の方がよりマッチすると思う。最大 80Gbps というデータ転送を味わいたい人には是非とも TS5 をお勧めしておく。
