まさかの逆サプライズ
「教授就任、おめでとうございます」
そう言って、突然、プレゼントを渡されました。
一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。
この日の主役は、私ではないはずだったからです。
昨日、仲の良い大学の先生に誘われて、4人で飲みに行きました。
誘ってくれた方は、最近、還暦を迎えたばかり。
ほかの二人も以前から知っているメンバーだったので、その方には内緒で3人で連絡を取り合い、プレゼントを用意していました。
私は完全に、サプライズを仕掛ける側のつもりでした。
ところが。
お店で先にプレゼントを渡されたのは、私でした。
どうやら3人は、私に内緒で教授就任のお祝いを準備してくれていたようです。
驚いたし、少し照れくさかった。
何より胸に響いたのは、私のことを気にかけ、喜ばせようとしてくれた、その気持ちでした。
もちろん、そのあと私たちも、還暦祝いのプレゼントを渡しました。
お互いに隠れて準備していた、二つのサプライズ。
誰かを喜ばせようとして出かけた夜に、私もまた、喜ばせてもらいました。
プレゼントを受け取ったとき、3人が私に内緒で話し合い、選び、準備してくれた時間まで、全部一緒に受け取ったような気がしました。
人を祝うつもりで出かけた夜。
自分のことを見ていてくれて、自分の節目を一緒に喜んでくれる人がいる。
そのことが少し照れくさくて、でも、とてもあたたかかった。
この夜に感じた「ありがとう」は、きっと一生、私の中から消えません。
