トレーラーの水平出しを「スマホで見ながら」にする装置を作りました
【2026.8 追記】
この記事の水平モニターを製品化し、「TRAILER LEVEL」としてBOOTHで先行販売を始めました(数量限定・専用マウント付きフルセット)。
「自作は大変そう…」という方はこちらをどうぞ。
▼商品ページ
https://mono-labo.booth.pm/items/8710345
▼機能・使い方の詳細
https://easyautomate2024-cell.github.io/mono-labo/trailerlevel.html
キャンピングトレーラーで現地に着いて、最初にやる仕事が「水平出し」。うちのトレーラーは冷蔵庫が3way(吸収式)なので、傾いたままだと冷えにも良くない。毎回きちんとやります。ただ、これがなかなか面倒な作業でした。
水準器とヒッチを、行ったり来たり
車内のキッチンの上に水準器を置く。外に出てヒッチのジャッキを回す。また車内に戻って水準器を覗く。ちょっと行き過ぎたのでまた外へ——。一人でやると、この往復が何度も続きます。
面倒なので「大体このへんでいいか」で済ませると、今度は滞在中にツケが回ってきます。ドアや引き出しが、傾いている方向に勝手に動く。閉めたはずの引き出しがスーッと開いてくるあの感じ、トレーラー乗りなら伝わるはず。
海外製には専用の市販品もあるのですが、仕組みを考えると「センサーの傾きをスマホに飛ばすだけ」のはず。
だったら作るか、といういつもの流れです。
できあがったもの

センサーをトレーラーに設置しておき、スマホのWiFi一覧から機器を選ぶだけ。画面が自動で立ち上がり、丸い水準器が表示されます。
ジャッキを回すと気泡がリアルタイムに動く
気泡が中央で緑になったら水平(0.1°単位で数値も表示)
専用アプリのインストール不要。WiFiを選ぶと画面が出てくる
電波のないキャンプ場でもOK(機器自身がWiFiの親機になるので圏外でも動く)

「今を水平とする」の0点校正はワンタップ。取り付けの多少のズレは吸収してくれて、校正値は電源を切っても本体が覚えています。
中身の話(ざっくり)

中身は、WiFi内蔵マイコンの ESP32(技適取得済みモジュール)と、加速度センサーの MPU6050。重力の向きから傾きを計算して、ESP32が自前で配信するWebページに表示する構成です。ケースは3Dプリンタで自作しました。
設計で一番効いたのは「Bluetoothではなく、WiFi直結にした」ことです。iPhoneはブラウザからBluetoothが使えないので、BLEでやろうとすると専用アプリの開発(Mac必須)になってしまう。ESP32をWiFi親機にしてWebページを配信する方式なら、iPhoneでもAndroidでも、WiFiにつなぐだけで済みます。
すんなりは動きませんでした
形になってからが本番でした。
気泡がカクカクする。データは0.1秒ごとに飛んでいるのに、画面の気泡がコマ送りに見える。表示側で動きを補間するようにして解決しました。
通信がたまに止まる。これが一番の難敵で、犯人はリアルタイム通信用に組み込んだ仕組みでした。スマホがスリープした瞬間の処理に引きずられて、機器全体が固まる。思い切って通信方式をシンプルな方式に一本化したら、ウソのように安定しました。高機能より、枯れたシンプルさ。
画面が勝手にスリープする。ジャッキを回している間に画面が消えると台無しです。これも一工夫入れて、使用中は画面が消えないようにしました。
使ってみて

スマホを手に持ったままジャッキを回して、気泡が緑になったら終わり。あの往復が、なくなりました。
これで終わりじゃなくて
実はこの装置、水平は第一弾です。同じ画面に
LPガスの残量(重さを測って「あと何日」まで予測)
清水タンクの残量
バッテリー電圧
を並べて、「トレーラーの状態がぜんぶスマホで見える」ダッシュボードにしていく構想です。ガス残量計はもう部品を揃えて製作中なので、続きはまた記事にします。
「これ欲しい」「自分も作りたい」という方、コメントやSNSのDMで気軽に声をかけてください。反応が多ければ、配線図・プログラム・3Dプリントデータをまとめた詳しい製作ガイドを出すことも考えています。
制作: mono labo — 「これ、なんでないんだろう」から始まるものづくり
mono labo では、ものづくりに役立つツールやノウハウを発信しています。
note: @mono_laborarory
HP: https://easyautomate2024-cell.github.io/mono-labo/
