「祈ってたまるか」
【推しの子】完結から2作の読み切りを誕生させているメンゴ先生。
推しの子以前から横槍メンゴ先生の漫画が好きだった者として過去作の読み切りも欠かさず拝読しているけれど、特に推しの子完結後の「愛ばっか」と「祈ってたまるか」はかなり好み。(過去の「かわいい」「Stand by you」も推し作。全て短編集「一生好きってゆったじゃん」に掲載。)
今日は「祈ってたまるか」のお話。
"一目見て掃き溜めに鶴ってやつだと思った"
主人公は新宿歌舞伎町の所謂「トー横」で1人の少女と出逢う。少女は周りから明らかに浮くほど容姿が整っていた。
"生きるのが下手なんだなと思った。そーゆーやつは沢山いる。でもその上で容姿がいいのはなにかと不幸を呼ぶ。"
主人公は「みんなの消しゴムになりたいの。罪悪感以外で人の心に居座れる気しないな、私。」と零す少女に抑えきれない苛立ちを覚える。少女を大切にしない少女自身に腹が立った。少女を大切にしない世の中を心底嫌悪した。
主人公はその苛立ちを抑えることができずある日少女にぶつける。
「あんたって断るってコマンド持ってないの?」
すると少女はきょとんとした顔で困惑しながら返事をする。
「どうして私なんかが何かを断れるの?」
主人公はゾッとした。
そして主人公は少女の前から姿を消して少女から逃げた。
少女は止めることも追いかけることも縋ることもしなかった。
当たり前なのだ、少女は全てを赦してくれるし、全てを受け入れてくれるのだから。
少女が主人公を追わないのは至極真っ当な動きである。
自分の元から去る人間の行動を「受け入れない」という選択肢が始めから存在しない。
少女は如何なる場合も他人の意思によって行く末が変わる。
人が逆さまにしなければ雪が降らないスノードームと同じ原理である。
他人の動きによって起きた摩擦や風でしか動けないのだ。
だから人を求めて掃き溜めに居るし、
人を求めて受け入れ続けるのだと思う。
このお話を呼んだ時、少しだけ推しの子と重なると思った。
星野アイは日本中の人間を「推す」と決めてアイドルをしていた。
私生活でもどんな人間でも全てを受け入れ、全てを赦す、それがアイなりの「愛」だったからだ。
主人公が少女との別れ際に強くなりたいと祈った通り強くなっていたら。
少女の元を離れずにいつか汚してしまっていたのでしょう。
主人公は最後に「私だけはサヤを絶対汚したくなかったから」と手元に在る結果に安堵を示している。
" 強くなりたいなんて祈ってたまるか。"
横槍メンゴ先生が示した幾つ目かの愛のお話だったと思う。
横槍メンゴが女性×女性の激オモ感情を描く!!
あたしが大好きだった、あたしが守りたいと願った、きれいなあの子の話。『#横槍メンゴ新作読切シリーズ』を #ヤンジャン アプリで読もう!
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