見出し画像

【二十四節気】(秋)寒露

寒露八日
(10月8日~10月22日頃にかけて)

露繁し、結んで将に霜とならんとす。

鴻雁来 菊花開 蟋蟀在戸

こうがんきたる
きくのはなさく
きぎりすとにあり

鴻雁來賓 雀入大水為蛤 菊有黄花

こうがんらいひん
すゞめたいすゐにいつてまはぐりとなる
きくにわうくわあり

鴻雁かりがねはおくれてわたり
群雀むらすゝめはまぐりとなり
黄菊きゞく花咲はなさく

九月の節に入、陰気いんき増長ぞうちやうし、降るつゆ寒冷かんれい也。故に「寒露」といふ。

鴻雁來賓とは、前に來りし鴻雁を「主」とし、今おくれて來るを「賓」とす。賓は客といふこゝろ也。

雀入 大水 為蛤とは、すゞめは陽鳥也。はまぐりは陰物也。此頃、陰氣のぼりきはまり、まさにおちんとす。陽は陰をしたふ理にて、陽精やうせいの雀も陰氣の落にさそはれ陰の海中に入て、陰精の蛤とへんず。老陽らうやうへんじて少陰となる理也。

菊有黄花とは、菊にも種々のいろあるを、直に黄花わうくわといふものは、菊は秋の氣を受てさく。秋は金にて、其正色せいしよくは黄なり。故に、菊の正色せいしよくは黄なりとす。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝


農家年中行事 寒露

小麥の蒔くゆんなり。大麦蒔きてよし。菜類、大根、蠶豆、豌豆豆まくべし。
竹藪の古竹を伐りすかすべし。
柿其外夏木の類、植替よし。藺、菅植かへよし。芋のずいきを刈るべし。草苺植かへべし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事

※ 「蠶豆」は、そら豆のこと。
※ 「豌豆」は、えんどう豆のこと。
※ 「藺」は、いぐさ。


寒露
柚子染黄
茱莄染紅
菊花競開

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰


名花画帖 寒露

寒露一候 柔姿断腸 しうかいだう

※ 「しうかいだう」は、秋海棠しゅうかいどう

寒露二候 落英延齢 きく

※ 「落英」は、落ちた花ぶさのこと。らくえい。参考:『大日本国語辞典 第5巻 修訂(落英)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「延齢」は、寿命を延ばすこと。えんれい。参考:『大日本国語辞典 巻1(延齢)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

寒露三候 翠菊接檻 さつまこんきく

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 下

※ 「翠菊」は、蝦夷えぞぎくのこと。
※ 「さつまこんきく」は、薩摩さつま紺菊こんぎく蝦夷えぞぎくの別名。


印存 寒露

鴻雁來賓 高島九峯
雀入水爲蛤 西川春洞
菊有黄華 杉聽雨

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書』『気候案内記』『明治三字経:簡易小学』『種まき鑑:暦日略解』『気候案内記』(国立国会図書館デジタルコレクション)