【女大学宝箱】(20)塩づくり

海人のしわざの中に、塩やくわざこう、いとまなけれ。先、潮汐をくみて、砂にまき、かはかして、その砂をあつめて、塩がまといふ物に入て、その砂よりしたゞるをくみとる也。これを「たるゝ」といふ。
※ 「わざこう」は、技巧でしょうか。誤読しているかもしれません。
※ 「先」は、まず。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『女大学宝箱』
そのたれたる「にがり」をためて、塩屋のうちに入て、つちがまをつくりて、やく也。うしほくみつれて、もしほ火たく、など、いとまなきわざ也。
※ 「もしほ」は、藻塩。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『女大学宝箱』
古哥にも
あしのやの なだの塩やき いとまなく
つげのおぐしも さゝできにけり
と読で、髪かしら、もとゝりあげず、かたちさへいとむつかしげ也。
※ 「古哥」は、古歌。
※ 「あしのやの…」は、『伊勢物語』第八十七段にむかしの歌として登場し、また『新古今和歌集』巻第十七雑歌に在原業平の歌として収録されています。
あしのやの なだの塩やき いとまなみ
つげのおぐしも さゝずきにけり

(細川幽斎による『伊勢物語』の注釈書)
※ 参考:『伊勢物語 2巻 [2]』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「もとゝり」は、髻。髪を頭の上に集めて束ねたところ。
※ 「むつかしげ」は、難し気。ここでは見苦しい様子のこと。忙しくて髪を整える暇がないという意。
よかったら過去noteも見てみてくださいね。👀
→ 『日本山海名物圖會』塩浜(しほはま)
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