『開化の笑顔』川柳(20)〽あやしい料理や生臭ひ貝を売り


〽 あやしい料理や 生臭ひ 貝を売り
〽 ぜんざいは 表で 裏は げんさいや
※ 「あやしい料理や」は、曖昧屋を指していると思われます。『日本性的風俗辭典』に次のような記載があります。
曖昧屋(あいまいや)
曖昧屋とは『世界艶語辭辞典』に
「売笑婦をかゝへ置き密かに客を呼ぶ家、表面には「小料理」「しるこ」などの看板を掲げ置いて、蔭にて醜業を営むを常とす。
川柳に「曖昧な料理屋なまの貝も売り」は、右を詠みたるものなり」云々」
※ 「げんさい」は、幻妻(衒妻)でしょうか。他人の妻を罵っていう言葉のほかに、夜鷹、地獄などの私娼を指す言葉でもあったようです。参考:『大日本国語辞典 巻2(げんさい)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 内証で 蛸じ 商ふ 白ゆもじ
〽 切りたての 白いゆもじは よく売れる
※ 「内証」は、ここでは、表向きでないところという意味でしょうか。もしくは、遊郭で主人の居間や帳場などのこと。参考:『日本性的風俗辭典(御内証)(内証)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「蛸じ」は、蛸の女房詞。参考:『大日本国語辞典 巻3(た文字)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「切りたての」は、種臼を切る、破瓜のような意味合いではと思います。参考:『日本性的風俗辭典(種臼を切る)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「白ゆもじ」は、白湯文字。白い腰巻のことで、遊女が赤湯文字を付けるのに対して、素人の私娼を白ゆもじと呼んだそうです。しろいもじ、とも。参考:『日本性的風俗辭典(白湯文字)(湯文字)』『大日本国語辞典 巻2(しろゆもじ)(しろいもじ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 あかゆもじ している こでも 白ゆもじ
〽 白い文字をば聞ちがへ 白ゆもじ

〽 はな哥を うたふは 黒い白ゆもじ
〽 小娘も ひんゆへ 馬の 気どりをしィ
※ 「はな哥」は、鼻歌。
※ 「ひんゆへ」は、牝馬の「牝」と貧しい「貧」を掛けた言葉でしょうか。
※ 看板の「やしとしき」は、このような文字に見えるのですが、意味を読みとれないので自信がありません。
筆者注 ● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
