【職人図鑑】彩画職人部類(21)轆轤(ろくろ)

轆轤
玉櫛笥、箱根山中に温泉の涌出するところ七所ありて「なゝ温泉」と云。此山家に多くこの業をなすものあり。いづれの時よりといふ事を知らず。
※ 「玉櫛笥」は、箱根の枕詞。櫛笥は櫛や化粧道具を入れておく箱のことで、玉櫛笥はその美称。たまくしげ。
※ 「なゝ温泉」は、箱根七湯のことと思われます。湯本、塔の沢、宮の下、堂ヶ島、底倉、木賀、芦の湯。参考:『箱根七湯図会【全冊まとめ】』『尋常中学科講義録 日本地理』『一新講社諸国道中袖鑑』『豆相めぐり(箱根七湯めぐり)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

工み出せる其細工、いたつて妙なり。槐樹、柊、梅、桜、神代杉をもつてす。
是を江都には「湯本細工」とて、殊さらに稱美す。文房几上飾の具をはじめ、庖厨家飾に至るまで、このむ所に随はざるはなし。挽物工といふ。
※ 「槐樹」は、マメ科の落葉高木。エンジュ。
※ 「柊」は、モクセイ科の常緑小高木。ヒイラギ。
※ 「江都」は、江戸のこと。こうと。
※ 「湯本細工」は、箱根湯本などで作られる木細工のこと。
※ 「稱美」は、称美。褒め愛でること。
※ 「庖厨」は、台所のこと。ほうちゅう。
※ 「挽物」は、轆轤鉋で木などを挽いて作った細工物のこと。


※ 参考:『古事類苑 産業部 第1冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)
湯本細工について

『日本地誌略字引大全 : 改正插画 巻之1−3』

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
『旅の家つと 第41 箱根七湯の巻』
箱根の特産 湯本細工
寄木細工の器具にして其種類極めて多し。山中諸所より製出すれども、凡てこれを「湯本細工」といふ。
参考:『箱根温泉案内(名産湯本細工)』『大筥根山(湯本温泉)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
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