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【蔦谷重三郎×喜多川歌麿】画本虫ゑらみ④蓑虫×兠虫/蝸牛×轡虫など

江戸時代後期に出版された喜多川きたがわ歌麿うたまろの絵に狂歌をつけた歌合せです。序文は狂歌師の宿屋やどや飯盛めしもり石川いしかわ六樹園ろくじゅえん)と思われます。出版は蔦谷つたや重三郎じゅうざぶろう

描かれている植物の名前を見出しにしました。この植物かな?と思うものを記載しましたので間違っているかもしれません。どうぞご容赦くださいね。🌿

🪲

ぎぼうしとはぎ

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『画本虫ゑらみ

蓑虫  立花裏也
 暗の夜に 西はとちやら わかねとも
  しのふあまりの かくれミのむし

兠虫  唐来三和
 恋しなは 兠虫とも なりぬへし
   しのひの緒さへ きれはてし身は

※ 「蓑虫」は、みのむし。
※ 「兠虫」は、かぶとむし。
※ 「唐来三和」は、とうらいさんわ。参考:『大日本人名辞書 明治18年12月』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「恋しなは」は、恋しなば。
※ 「しのひ」は、しのび。


茄子なすび茗荷みょうが

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『画本虫ゑらみ

蝸牛  高利苅主
 はれやらぬ その空言に かたつふり
   ぬるゝほと猶 つのや出しけん

轡虫  貸本古喜
 かしましき 女に似たる くつわ虫
    なれもちりりん りんきにやなく

※ 「蝸牛」は、かたつむり。
※ 「轡虫」は、くつわむし。
※ 「りんき」は、悋気りんきで鳴き声のリンリンと掛け言葉になっています。焼きもちをやくこと。


へちま

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『画本虫ゑらみ

きり/\す  倉部行澄
 さのみには 鳴音なたてそ きり/\す
   ふか入壁も 耳のある世に

蝉  三輪杉門
 うき人の こゝろは蝉に 似たりけり
   声はかりして すかたみせねは

※ 「きり/\す」は、きりぎりす。
※ 「三輪杉門」は、みわすぎかど。参考:『狂歌万載集才蔵集選』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「声はかりしてすかたみせねは」は、こえばかりして姿すがたせねば。

※ へちま 参考:『本草図譜 50(絲瓜)』(国立国会図書館デジタルコレクション)


雪下ゆきのした

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『画本虫ゑらみ

蚓   一筋道成
 よる ● も わからてまよふ 恋のやみ
   きみをみゝすの ねをのみそなく

こうろき  此道くらき
 こうろきの すねとや人の 思ふらん
   うらむ間もなく おれてみすれは

※ 「蚓」は、みみず。
※ 「こうろき」は、こうろぎ。

雪下ゆきのした 参考:『畫本野山草 [2](雪下)』(国立国会図書館デジタルコレクション)


はす浮草うきくさ

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『画本虫ゑらみ

蛙   宿屋飯盛
 人つてに くとけと首を ふるいけの
   かいるのつらへ 水くきそうき

こかねむし  小簾菅伎
 あはれとも みよまくらかの こかねむし
   こかるゝたまの はひよるの床

※ 「かいる」は、かえる(蛙)の訛。参考:『大日本国語辞典 巻1』(国立国会図書館デジタルコレクション)


出典:国立国会図書館デジタルコレクション『画本虫ゑらみ

鳥之部 獸之部 魚之部
喜多川歌麿筆 宿屋飯盛撰

右近日出版仕候題板元より出し候間御望之方は右之題にて恋の狂歌御出詠被下板元へ御届可被下候以上

天明戊申正月
通油町耕書堂 蔦屋重三郎

※ 「天明戊申」は、天明八年(1788年)。

※ 参考:『稀籍考(絵本 蟲撰)』(国立国会図書館デジタルコレクション)



筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖