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『開化の笑顔』川柳(16)〽あぶら身のトコをくれろはうしてんぐ

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『開化の笑顔:新柳樽 2編

〽 山鳥やまとりかくは 古風こふう牛肉ぎうにく
〽 惣嫁そうかやは發止はいし ぎうやは日々ひゞにふへ

※ 「山鳥やまとりかくは…」は、江戸時代に猪を山鯨と称して食べるなどした薬食くすりぐいをひねったものだと思うのですが、牛肉と山鳥の関係は調べても分かりませんでした。
※ 「惣嫁そうか」は、京阪でいう江戸の夜鷹よたかのこと。参考:『大日本国語辞典 巻3(さうか)(そうか)』『日本社会事彙 上』(国立国会図書館デジタルコレクション)


〽 しゝも モヲいけん 牡丹ぼたんが咲だした
〽 ねぎばかり かわりは 財布さいふ 二朱ばかり
〽 うしふ ほかに 開化かいくはのあじしらず

※ 「しゝ」は、ここではしし(いのしし)のことと思われます。
※ 「牡丹ぼたん」は、猪肉ししにくの別名。
※ 「二朱」は、『開化の笑顔』の出版が明治十一年であることを考えると、万延元年(1860年)から通用された万延まんえん二朱にしゅ判金ばんきん(二朱金)のことと思われます。一両の八分の一に相当するそうです。参考:『大日本国語辞典 巻4(二朱金、二朱伴金)』(国立国会図書館デジタルコレクション)


〽 御内室ごないしつ はじめのうちは ウンのみし
〽 あぶら身の トコをくれろは うしてんぐ

※ 「御内室ごないしつ」は、他人の妻を敬っていう言葉。


〽 なによりも がすきなべと うし
〽 弐分にぶあれば 大丈夫だと うしをご
〽 牛肉のじぎ もふいけん モヲイケン

※ 「弐分にぶ」は、『開化の笑顔』の出版が明治十一年であることを考えると、万延元年(1860年)から通用された万延まんえん二分判金にぶばんきん(二分金)のことと思われます。一両の二分の一に相当するそうです。明治元年に発行された明治二分金は流通量が少なかったようです。参考:『維新史 第5巻(旧金貨額)』『大日本国語辞典 巻4(二分金)(二分伴金)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

「じぎ」は、時宜じぎで、牛の挨拶「もーいけんモーイケン」と洒落ているのかもしれませんね。


〔参考〕惣嫁そうか

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
日本性的風俗辭典
出典:国立国会図書館デジタルコレクション
日本性的風俗辭典



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