【蔦谷重三郎×喜多川歌麿】画本虫ゑらみ② 蜂×毛虫/馬追虫×百足など
喜多川歌麿の絵に狂歌を添えた歌合せです。出版は蔦屋重三郎、序文を鳥山石燕(浮世絵師)と宿屋飯盛(狂歌師)が書いています。
描かれている植物の名前を見出しにしました。この植物かな?と思うものを記載しましたので間違っているかもしれません。どうぞご容赦くださいね。🌿
🪲
藪豆と蜂の巣

蜂 尻焼猿人
こは/\に とる蜂のすの あなにえや
うましをとめを みつのあちはひ
毛虫 四方赤良
毛をふいて きすやもとめん さしつけて
きみかあたりに はひかゝりなは
※ 「尻焼猿人」は、絵師 酒井抱一の狂歌名。しりやきのさるんど。
※ 「こは/\に」は、恐々に。
※ 「あなにえや」は、まぁすばらしいの意。
※ 「四方赤良」は、文人 太田南畝の狂歌名。よものあから。
※ 藪豆 参考:『植物渡来考』『図解盛花と水揚』(国立国会図書館デジタルコレクション)『新編 百花譜百選』(岩波書店)
蚊帳吊草と花蔓

馬追虫 唐衣橘洲
夜々は 馬おひむしの ねにそなく
君に心の はつなのはして
むかて 鹿都部真顔
ねかはくは 君かつはきに とけ/\と
とけてねふとの 薬ともかな
※ 「唐衣橘洲」は、からころもきっしゅう。
※ 「鹿都部真顔」は、しかつべのまがお。
※ 「とけ/\」は、解解と思われます。十分打ち解けている意。参考:『大日本国語辞典 巻3(とけどけ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「ねふと」は、根太。臀部や太ももなどの脂肪の多いところにできる腫物の一種。参考:『大日本国語辞典 巻4(ねぶと)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 蚊帳吊草 夏の季語 参考:『季題類別一茶名句選集』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 花蔓 参考:『毒品図説 : 学校用』『新編植物図説』『実用学校園:付・園用植物図』『有用植物図説 図画巻2』(国立国会図書館デジタルコレクション)
薔薇 と筍

けら 耶奈伎波良牟加布
あたしみは けらてふ虫や いもとせの
ゑんのしたやに ふかいりをして
はさみむし 桂眉住
みし人を 思ひきるにも きれかぬる
はさみむしてふ 名こそ純けれ
※ 「いもとせ」は、妹と背と思われます。女と男、夫婦のこと。
※ 薔薇 参考:『畫本野山草 [4](宝相花)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
美人草

蝶 稀年成
夢の間は 蝶とも化して 吸てみむ
恋しき人の 花のくちひる
蜻蛉 一冨士二鷹
人こゝろ あきつむしとも ならはなれ
はなちはやらし とりもちの竿
※ 「あきつむし」は、秋津虫。とんぼのこと。
※ 美人草 参考:『畫本野山草 [4](美人草)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
里芋と朝顔

虻 紀定丸
耳のきはの 虻とや人の いとふらん
さしてうらみむ はりももたねは
芋虫 染川橋丸
いも虫に 似たりや/\ ころ/\と
わかれちさむき 舟の小蒲団
※ 「虻」は、あぶ。
※ 「紀定丸」は、太田南畝の甥。きのさだまる。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
