見出し画像

【語源】日本釈名 (25) 鳥類(鶴・鷂・鷺・報春鳥・燕など)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

「と」は「飛」也。「り」は「かける」也。「る」と「り」と通ず。「とびかける」なり。

ツル

「つる」は「つらなる」也。おほくつらなりとぶ鳥也。鳫もつらなりとべども、次第にさがる。つるはすぐにつらなる也。或曰「すぐる」也。「す」と「つ」と通ず。中を略す。諸鳥にすぐれて大なる鳥也。

※ 「鳫」は、かり
※ 「すぐに」は、すぐに。
※ 参考:『古事類苑 第49冊』(国立公文書館デジタルアーカイブ)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

タカ

「たかく飛」也。

ハイタカ

「はいたか」は「はやたか」なり。又、「はしたか」とも云。「はやしたか」也。はいたかのセウを「このり」と云。セウは、其かたち、だいよりちいさし。「このり」は「こなり」也。「ふ」と「の」と通ず。凡、鷹は、を「セウ」と云。を「ダイ」と云。「兄」は「だい」におとれり。是、鷹の諸鳥にかはれる也。

※ 「だいよりちいさし」は、だいよりちいさし。
※ 「このり」は、兄鷂このり。ハイタカの雄のこと。
※ 「だいにおとれり」は、だいおとれり。

ワシ

アシ也。ちからつよくして、物をつかむ悪鳥也。

トビ

「とをくひいる」也。「ひいる」は「高く飛ぶ」也。

カラス

「くろし」也。「くろし」と「からす」と通音也。或曰、梵語也。

啄木鳥テラツゝキ

厩戸皇子、初て四天王寺を造り給ひし時、此鳥つゝきたりしとなり。一説「けらつゝき」。

※ 「厩戸皇子」は、聖徳太子。うまやどのおうじ。

クマタカ

クマは、ちからつよきけだもの也。このたか、ちからつよき故に名づく。

鸕鷀ウノトリ

「う」は「うかぶ」也。よく水にうかぶ鳥也。

サギ

「いさぎよき」也。上下を略す。白くして、いさぎよし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

スゞミ

此鳥の性、おどりてすゝみ行故に「すゝみ」と云。

つぐみ

此鳥、口つぐんでなかず。故に名づく。又、一種、なくもあり。

鷦鷯ミソサンザイ

みぞにすむ小鳥なり。「さゞい」とは「さゝやかなる鳥」「ちいさき」也。

報春鳥ウグヒス

「うく」は「おく」也。「お」と「う」と通ず。「ひす」は「いづ」也。相通す。「おくいづ」也。春は、谷のおくよりいづるもの也。■谷ユウコク(■は米+凵)をいでゝ、喬木にうつる也。「鶯」の字「うぐひす」と訓ずれども、しからず。アウは、うぐひすより大にして黄色也。もろこしに多し。日本にもわたり「からうぐひす」と云。其いろいかたちはすぐれてよけれど、こえは「うぐひす」におとれり。

※ 「喬木」は、高い木のこと。きょうぼく。
※ 「もろこし」は、唐土もろこし

カリ

「かへり」也。春は北にかえる。中を略せり。北にかへる鳥多しといへども、就中、鳫のかへるは鳴わたりていちじるし。又、鳫は北にかへりて、秋は此地にてもとの所にかへるもの也。

※ 「鳫」は、かり
※ 「就中」は、なかんずく。

ツバメ

つばめは土をはみて巣を作る。「つちばみ」也。「み」と「め」と通ず。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

告天子ヒバリ

「ひばり」は、日のはれたる時、そらに高くのぼりてなく鳥なり。「ひはる」也。雨天にはのぼらず。

フクロ

其毛ふくるゝ鳥なる故也。「る」は「ろ」と通ず。一説、はゝくらふ也。気は悪鳥にて、其母をくらふもの也。「ふ」は「はゝ」也。「は」と「ふ」と通ず。「ら」と「ろ」と通ず。

※ 参考:『言語哲学(フクロフ)』(国立公文書館デジタルアーカイブ)

クチバシ

口の端なり。

いすか

其口ばし、くひすがひてあはず。上下を略せり。

求食アサル

足捜アシサグル也。略語也。水鳥の魚を求めはむは是にて、水草の中をさぐりて魚いづればはむ水鳥ならねど、凡の鳥皆是にてさぐり出してをはむ故、鳥の食を求むるを「あさる」と云。

※ 「はむ」は、む。

ツルム

「つらなる」也。「つゞく」意。「む」は助字也。

ツバサ

「鳥をはさむ」也。「と」と「つ」と通ず。鳥の両わきをはさむなり。

秧鷄クイナ

「くい」のカヘシは「き」也。「な」は「鳴」也。「きなく」也。人のやどに来りなく鳥也。「くいなのたゝく」など云も、人のかどに来りなく也。

※ 「くいなのたゝく」は、水鷄くゐなたたく。「たたく」はこの鳥の鳴き声から来ているそうです。
参考:『古事類苑 第49冊(水鷄たゝく)』『芭蕉俳句新釈』『徒然草要義:文法附註』『金の船・金の星 9(12)』(国立公文書館デジタルアーカイブ)

鴛鴦ヲシトリ

此鳥、雌雄相をもひて、いとをしみふかき故、名づく。上下を略せり。又、崔豹『古今注』と云書に「此鳥雌雄はなれず、人其一を得れば、其一おもひてしぬる」。今案ずるに、「おもひしぬる」故に「をし」と名つけしにや。

※ 「いとをしみふかき」は、いとおしみふかき。
※ 「崔豹古今注」は、崔豹が著した『古今注』。『古今注』に「鴛鴦水鳥鳧類也雌雄未嘗相離人得其一則一思而至死故曰疋鳥」と記されいます。参考:『古今注3卷』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [2]

雀■ツミ (■は凵+干+爫+鳥)

『順和名』曰、須々美多加スゝミタカ。今案「すゞみ」を略して「つみ」と云なるべし。よく「すゞめ」をとる小たかなり。故に「すゞみたか」と云。

※ 「今案」は、誤読しているかもしれません。

ニコケ

「にこ」は「和」也。和なる事をいにしへは「にぎ」とも「にこ」とも云。やはらかなる毛也。

カヒコ

鳥の玉子也。「かへる子」也。「かへる」とは、玉子のカハりてひよことなるを云。

雎鳩ミサゴ

「水さぐる」也。みさごの鳥、魚をとらんとては、先水をさぐれば、魚いづ。即、これをつかむ。

※ 「先」は、まず。

クゞイ

『順和名』云「こふ」、又云「くゞひ」。今案、「鵠」の音は「こく」、「こふ」は其音を訓とせしにや。「くゞひ」は「くちなはくひ」なるべし。此鳥、このんで「くちなは」をくふ。今本草を案ずるに、「鵠」は「こふ」にあらず。白鳥ハクテウなり。「こふ」と訓ずるはあやまりにや。「こふ」は「鸛」なり。されど「こふ」とは訓ぜしは、「鵠」の音を用。「くゞひ」とは「こふの鳥」の事也。

※ 「クゞイ」は、白鳥はくちょうの古名。
※ 「くちなは」は、蛇のこと。
※ 参考:『古事類苑 第49冊』『動物閑談(くゞひ)』(国立公文書館デジタルアーカイブ)



筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖