【女大学宝箱】(38)女大学 ①

女大学
一 夫、女史は、成長して他人の家へ行、舅姑に仕るものなれば、

男子よりも親の教ゆるかせにすべからず。父母、寵愛して恣に育ぬれば、夫の家に行て、必氣随にて、夫に疎まれ、又は、舅の誨正したれば、難 堪思ひ、舅を恨誹り、
※ 「氣随」は、思いのままに振る舞うこと。

中悪くなりて、終には追出され、恥を曝す。女子の父母、我訓なき事を謂ずして、舅夫も悪きと而已思ふは、誤なり。是、皆、女子の親のをしへなき故なり。
一 女は、容よりも心の

勝れるを善とすべし。心然無美女は心騒しく、眼恐しく見出して、人を怒り、こと葉 訇 に物いひ、さがなく、口諬て、人に先立、人を恨嫉み、我身に誇り、人を謗、笑われ、人は勝り皃なるはみな女の道
※ 「心然」の「然」は、誤読しているかもしれません。
※ 「勝り皃」は、勝り顔。

に違るなり。女は、唯和ぎ順ひて、貞信に情深く静なるを淑とす。
一 女子は、稚時より男女の別を正しくして、假初にも戯たることを見聞しむべからず。古しへの禮に、男女は席を
※ 「淑 とす」の「淑」は、誤読しているかもしれません。

同じくせず。衣裳をも同じ處に置ず。をなじ 處 にて浴せず。物を請取わたすことも、手より手へ直にせず。夜行ときは、必燭を燈てゆくべし。他人はいふに及ばず、夫婦兄弟にても、別を正

しくすべしことなり。今時の民家は、此様の法を知ずして、行規を乱にして、名を穢し、親兄弟に辱をあたへ、一生身を空にする者あり。口惜き事にあらずや。女は、父母の命と媒酌とに非されば、

交らず。親ずと小学にも見たり。縦令、命 を失ふとも、心を金石なんことくに堅して、義を守るべし。
一 婦人ふじんは、夫の家をわが家とする故に、唐土には嫁を帰るといふ。我家にかへるといふ事なり。
※ 参考:『日本倫理史稿(女大学)』『ポケット女四書(女大学)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
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