【絵本野山草】(24) 宮城野萩/朝顔/昼顔/夕顔/だるま菊/龍膽


宮城野萩
七八月に花さく。花の色、白有。紫有。うす色、とび入有。花長し。さがりひめ藤のごとく咲。又、花に黄あれども、花は白のかへり也。又、山萩も花白有。此、紫、うす色有。宮城野は長一丈斗。又、山萩は六尺斗也。

朝顔
花、四五月より七八月有。さく花のかたち、昼顔に似て、葉 三角なり。花数多し。三四十。はな、るりこん色有。白有。うす赤有。浅黄有。又、とび入有。しぼり有。
又、朝鮮朝がほ、花、るり色。たねをまき、生へて、葉二つ出れば花咲。「ちやぼ朝かほ」ともいふ。又、「みす朝顔」ともいふ。
※ 「ちやぼ朝かほ」は、ちゃぼ朝顔。参考:『植物病理学 上編』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「みす朝顔」は、水朝顔でしょうか。ただ、水朝顔は、ミズオオバコ(水大葉子)の別名であるようです。参考:『救饑提要 下(水朝顔)』『農芸大辞林(みづあさがほ)』『大百科事典 第28巻(水朝顔)』


昼かほ
花、四五月にさく。いろ、うすあかし。又、白あり。雪白大りん有。あさがほは、朝々はなさかりなり。昼かほは、終日はな咲てあり。
南京ひるかほは、いろさくらいろ、小りんなり。葉はそばのごとし。花は、あさがほに似てすこし小りん、野山原に蔓を生ずる也。
※「大りん」は、大輪。
※ 「終日」の読み「ひめもす」は、「ひねもす」と同じ。朝から晩まで、一日中の意。
※ 「小りん」は、小輪。

芲エンシグ エンジクマ
夕顔
はな六七月にさく。花形、朝顔のごとし。葉 大く丸し。花の色、白し。本名「瓠」、又「瓢夕顔」ともいふ。是又同、はな白し。両品ともに、花、夕方に咲。「千なり」ともいふ。ひさごちいさし。はたけものなり。
※ 「ひさご」は、ユウガオやヒョウタンの総称。ここではその実のこと。


だるま菊 布袋菊 谷ぎく 薩摩菊
葉あつく、うす紅、毛茸有。草だちふとく、花のかたち、ひとへのきくのごとき、うすむらさきいろのはな、葉のつぢきはにさく。又、白花あり。なづれは、もうせん、びろうどのごとし。やはらかに四季に葉有。又、「だるま草」とも「ほてい菊」とも「さつまぎく」ともいふ。八月より九月迄咲。山谷の草也。
※ 「もうせん」は、毛氈。
※ 「びろうど」は、ビロード。

龍膽
七月より八月有。花のかたち、ちよくのごとく、しの立さく。葉、さゝば也。はなのいろ、白、うす紅、紫、るり、四品あり。山中野原にあり。

■葜 (■は艹+葜)
荊の類なり。葉丸く、柿のはのちいさきごとくにて、葉の中筋、五つすじあり。冬葉を落し、春出る。秋 赤 実有。俗に「さんきらい」ともいふ。
又、「さるとりいばら」とも云は非なり。「さるとりいばら」は、葉の形、槐の葉のごとくなり、はな色、本うこんなり。たけ一二尺ばかりのび、はり有。又「かめいばら」ともいふ。川ぎし、山中、谷あいに有。又、野原さゝりんだうと一所にあり。五月はなさく。九十月にあかき実あり。
※ 「■葜」は、菝葜。サルトリイバラ科の植物。

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