『開化の笑顔』川柳(21)〽妾宅の切賣をする月かこひ


〽 妾宅の 切賣をする 月かこひ
〽 母親は 日やとひ 娘 月かこひ
※ 「切賣」は、ここでは淫をひさぐこと、また、時間を区切って体を売ること。参考:『大日本国語辞典 巻1(切売)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「月かこひ」は、月囲い。毎月の手当てとともに別宅に住まわせる妾のこと。参考:『当世権妻気質』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 いッかどの 黒人も同じ しろゆもじ
〽 一六は つかへてますと 月かこひ
〽 一月に 三夜は いッち 安いきめ
※ 「いッかど」は、一廉。ひとかど、各段。
※ 「黒人」は、芸娼妓などのこと。素人に対する言葉。参考:『日本性的風俗辭典(黒人)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「しろゆもじ」は、白湯文字。白い腰巻のことで、遊女が赤湯文字ゆもじを付けるのに対して、素人の私娼を白ゆもじと呼んだそうです。参考:『日本性的風俗辭典(白湯文字)(湯文字)』『大日本国語辞典 巻2(しろゆもじ)(しろいもじ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「一六」は、毎月の一と六がつく日のこと。一六日。明治九年四月以前は官公署の休日だったそうです。参考:『大日本国語辞典 巻1(一六日)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「いッち」は、いちばん(副詞)という意味でしょうか。参考:『大日本国語辞典 巻1(いっち)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 十銭を ぞめき 浪銭 百にぎり
〽 上口を喰ほとて 下の口を賈り
〽 乗り合ひの舩 十銭の賃定め
※ 「ぞめき」は、騒き。ここでは遊び人などが遊郭に入ることをさしていると思われます。参考:『大日本国語辞典 巻3(ぞめき)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「浪銭」は、裏に波紋がある銭のこと。四文銭。参考:『大日本国語辞典 巻3(波銭)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 置銭も 十銭たけで ちつとの間
〽 あさましさ 袖振り合も 些少の銭
※ 「袖振り合も些少の銭」は、「袖振り合うも他生の縁」という諺にかけられています。
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