【職人図鑑】彩画職人部類(9)紙(かみ)

紙 かみ
聖徳太子、唐土より来れる曇徴といへるものと工夫ありて、はじめて帋を漉事を得給ふ。それより代々おしうつり国々の名産、檀紙、奉書を上品として、かぞふるにいとまなし。
※ 「曇徴」は、高句麗の僧。推古天皇の時代に渡来し、日本に紙と墨を伝えたそうです。どんちょう。
※ 「帋」は、紙。
※ 「檀紙」は、楮から作られる上質な和紙のひとつ。陸奥紙とも呼ばれ、古くは檀を原料としたそうです。
※ 「奉書」は、ここでは奉書紙のこと。楮から作られる上質な和紙のひとつ。越前の奉書紙が知られています。

京都は紙屋川の流ありて、其職をなす。東都は、麻布、関口、或は、今戸、山谷の神嵐の夕●。何となく淋しき砧は、四季をわかたぬ遠音こそは、ことさらに哀ふかし。
※ 「砧」は、木槌で打って布を柔らかくしたりするのに用いる木の台のこと。また、それを打つこと。ここでは紙の原料となる楮を打つことを指していると思われます。

紙漉きについて

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
『日本紙業綜覧 昭和12年版』

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
『広益農工全書 四』

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
『広益農工全書 四』
檀紙について
檀紙 古に衞矛を以て造りしといふ。今は楮皮なり。皺あるあり。平なるあり。奉書 越前を最とす。
陸奥紙を檀紙なりといひ、『河海抄』陸奥国、檀帋也。陸奥より、檀帋をすきはじむ。檀はマユミの木也。萬葉に「みちのくのまゆみのかみ」とあり。又、『明星抄』陸奥にて創造すといふ。『源氏物語』の厚肥えたるの文に據れば、即、檀紙なるべきが如し。然れども、方今、陸奥には絶えて檀紙を産せず。
奉書紙について

越前奉書紙
奉書、余国よりも出れども、越前に及ぶ物なし。越前奉書、其品多し。大広、御前広、本政、間政、上判、真草、半草、 ● 、外口、大鷹、中たか、小引、つやなし、雲紙、尺長、間にあひ、鳥の子、薄やう、中やう、何れも紙の性よく、つや有てつよし。
凡、日本より紙おほく出る。中に、越前奉書、美濃のなをし、関東の西の内、程村、長門の岩国半紙、尤上品也。
紙屋川について
地図の右下、金閣寺と大徳寺の間を左右(南北)に流れているのが紙屋川です。

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