見出し画像

『開化の笑顔』川柳(6)〽長家中の電信局は井戸のはた

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『開化の笑顔:新柳樽〔初編〕


〽 今ならば 傳信かける 妹背山

※ 「傳信」は、電信。ここでいう「電信」は電報のことと思われます。電話が登場するのは、この本が出版された明治十一年(1878年)より後のことになります。
※ 「妹背山」は、川を挟んで相対する山をひとつにまとめていう呼び方です(妹山いもせやま背山せやまをあわせて妹背山いもせやま)。挿絵には、手前に男性(背山)、奥に女性(妹山)が描かれています。


〽 此でも かねの沙汰さたなる 傳信機でんしんき
〽 急用きうようのうへに つばめは やすんで

※ 「此」は、この世。
※ 「傳信機でんしんき」は、電信機。


〽 長家ながやぢうの 傳信きょくは 井のはた
〽 へんねしな かゝが長家の 傳信機

※ 「傳信きょく」は、電信局。
※ 「へんねし」は、ねたむこと、嫉妬。
※ 「かゝ」は、かかあ(妻)のこと。

明治の文明開化で電信技術が登場しても、女性たちの井戸端いどばた会議のスピードには勝てませんね (笑)

〽 妾宅せうたくへ 傳信出入 かたの嚊

※ 参考 明治六年(1873年)に出版された『電信ばなし』という本の表紙には、電線のうえを飛脚が走る絵が描かれています。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『電信ばなし
電信機
出典:国立国会図書館デジタルコレクション『電信ばなし
電信線ノ図
出典:国立国会図書館デジタルコレクション『世界節用無尽蔵
電■局 でんしんきよく(■は雨+因)
出典:国立国会図書館デジタルコレクション『発明記事:窮理日新 六



● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖