【女大学宝箱】(29)奈良 南京八景


南京の藤
太政大臣 二条良基公
藤なみは 神のことはの 花なれば
八ちよをかけて 猶そつかへむ
猿沢池月
右近衛権少将 藤原雅幸朝臣
長閑なる 浪にそ氷る さる澤の
池よりとをく 月はすめども
佐保川蛍
前内大臣 三条公忠公
とぶほたる かげをうつして さほ川の
あさせにふかき 心をぞしる
春日野鹿
権中納言 公勝
かすが山 みねもあらしや さむからむ
ふもとののべに しかぞ鳴なる

三笠山雪
前右大臣 西園寺実俊公
みかさ山 さしてためのば 白雪の
ふかき心を 神やしるらん
東大寺鐘
前大納言 四辻入道善成公
をく霜の 花いつくしき 名も高し
ふりぬる寺の かねのひくきに
雲井坂雨
権中納言 為重公
むら雨の 晴間にこえよ 雲ゐさか
みかさの山は ほどちかくとも
轟橋行人
前中納言 小倉実遠公
打わたる 人めもたえず 行駒の
ふみこそならせ とゝろきのはし
※ 参考:『古事類苑 第3冊』『近世文芸叢書 第1 (国書刊行会刊行書)』『大和志料 上巻 改訂』『奈良の名所』『大和周遊誌 : 美術淵源 上』(国立国会図書館デジタルコレクション)
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