【女大学宝箱】(39)女大学②

縦、夫の家、貧賤なれども、夫を怨べからず。天よりわれにあたへ給へる家の貧は、我仕合の 凶 故なりとおもひ、一度嫁しては、其家を出ざるを、女の道とすること、古しへ聖人の訓なり。若、女の道尓そむき、
※ 「尓」は、誤読しているかもしれません。

去るゝ時は、一生の恥なり。されば、婦人に「七去」とて悪きこと七あり。
一には、嫜に順さる女は去べし。
二には、子なき女は去べし。是、妻を娶は、子孫相續の為なれば也。然れども、婦人の心正しく行儀よく

して、妬こゝろなくばさらずとも、同姓(をなじうち)の子を養ふべし。或は、妾に子あらば、妻に子なくとも、去に及ばず。
三には、淫乱なればさる。
四には、悋気ふかければさる。
五に、癩病などの悪き疾《やまひ》|有ばさる。
六に、声言にて
※ 「声言」の「声言」は、言いふらすこと。せいげん。読みの「くちまめ」は、口忠実。口数が多いこと。

慎なく、物いひ過は、親類とも中悪くなり、家みだるゝものなれば、去べし。
七には、物を盗む心あるはさる。此「七去」は、皆聖人の教なり。女は一度嫁して、其家を出されては、縦令、ふたゝび富貴なる夫に嫁す

とも、女の道にたがひて、大なる辱なり。
一 女子は、我家にありては、わが父母に専孝を行ふ理なり。されども、夫の家に行ては、専嫜をわが親よりも重じて、厚く慈しみ、敬ひ、孝行を惣すべし。親の方を
※ 「惣すべし」の「惣」は、誤読しているかもしれません。

重じ、舅の方を軽ずることなかれ。嫜の方の朝夕の見まひを闕べからず。嫜の方の勤つとむべき業を怠るべからず。若、嫜の命あらば、慎行て、背べからず。萬のこと、舅姑に問て、其教に任すべし。舅姑、もし我

を憎み誹給ふとも、怒恨ることなかれ。孝を尽して、誠 をもつてつかゆれば、後はかならず中好なるもの也。
一 婦人は、別に主君なし。夫を主人と思ひ、敬ひ、慎て、事べし。軽しめ侮あなどるべからず。惣じて、婦人の道は、

人に従ふにあり。夫に對するに、顔色、言葉づかひ、慇懃に謙り、和順なるべし。不忍にして、不順なるべからず。奢て無禮なるべからず。これ、女子第一の勤なり。夫の教訓あらば、其仰を叛べからず。疑
※ 「不忍」の読み「いぶり」は、すねたり、ふてくされたりすること。
※ 参考:『日本倫理史稿(女大学)』『ポケット女四書(女大学)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
筆者注 ● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
