【女大学宝箱】(40)女大学③

しきことは、夫に問て、その下知に随ふべし。夫、問こと有ば、正しく答えふべし。其返答、疎なるは無礼なり。夫、若、腹立怒ときは、恐れて順べし。怒諍《あらそひ》て、その心に|逆べからず。女は夫をもつて

天とす。返/\も、夫に逆ひて天の罰を受べからず。
一 兄公女公は、夫の兄弟なれば、敬べし。夫の親類に謗れ、憎まるれば、舅姑の心に戻て、我身の為にも宜しからず。睦じくすれば、嫜の

心にも協ふ。又、娌を親しみ、穆敷すべし。殊更、夫の兄嫂は厚くうやまふべし。我、昆姊と同じくすべし。
一 嫉妬の心努々發すべからず。男、淫乱ならば、諫べし。怒怨べからず。妬甚しければ、其景色言葉も

恐敷、凄じくして、却●夫に疎まれ、見限るゝ物なり。若、夫不義過有ば、わが色を和らげ声を稚にして、諫べし。諫を聴ずして、怒らば、先暫正て後に、夫の心和たる時、復諫べし。必、氣色を暴くし、
※ 「正て」の「正」は、誤読しているかもしれません。

こゑをいらゝげて、夫に逆ひ叛ことなかれ。
一 言語を慎て、多くすべからず。假にも人を誹り、偽を云べからず。人の謗を聞ことあらば、心に修て、人に傳え語べからず。誹を云つたふるより、親類とも間悪くなり、家の
※ 「いらゝげて」は、苛らげて。ここでは、とがらせてという意。

内をさまらず。
一 女は常に心遣して、其身を堅俱謹 み、護るべし。朝は早く起、夜は遅く寝、昼はいねずして、いゑの内の事に心を用ひ、織縫績緝、怠るべからず。

亦、茶、酒など、多く呑べからず。哥舞伎、小歌、浄るりなどの 演れたる事を見聴べからず。宮寺など都て、人のおほくあつまる處へ四十歳より内は餘りに行べからず。
※ 参考:『日本倫理史稿(女大学)』『ポケット女四書(女大学)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
筆者注 ● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
