【女大学宝箱】(11)組屋・鹿子結(かのこゆひ)


凡、絲をもつて諸品をつくる。これを「組屋」といふ。經巻物の緒、多くは青白色、黒色の糸を結交 これをくむ。其もやう、松の皮の ●● に似たるゆへ「松皮」といふ。又「啄木」ともいふ。いとの高ひく斑點、啄木鳥のくちばしにて樹の皮をつゝきたる跡に、にたるゆへにいふといへり。
※ 「 啄木鳥」は、キツツキのこと。
※ 参考:『機織彙編 五 増補(啄木并畦目)(松皮打)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

高低といふは、たくぼくのいひあやまりなりといふ。又、いとをくむを、うつともいへり。「うつ」とは、いとのみにかぎらず、萬のものをこしらゆるを「打」といへり。もろこしの書に見えたり。
※ 「もろこし」は、唐土。



凡、糸をもつて絹帛をかたくあつめ結て、紋をなしてのちに、のぞむ色にそめ、日にほして後、その糸を解ときは、おもふ所の紋、見ゆる也。

その跡、麑の皮にある紋のごとし。これを惣て「鹿子目結」と号する也。その紋すべてつくるを「惣鹿子」といふ。所々にあるを「村がのこ」といふ。これ婦人の業にして、「鹿子結」といへり。この外、すり絵、縫箔、くくしもの、しぼり染 等、みな家々ありて、これをこしらゆるなり。
※ 「麑」の漢字は、鹿の子という意。
※ 「業」の読みは「すぎまひ」のようにも見えるのですが、生業 のことだと思います。
※ 「婦人」の読み「おうな」は、嫗。年老いた女性のこと。
※ 「くくしもの」は、括物。参考:『言泉:日本大辞典 第2巻 改修版』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「すり絵」は、摺り絵。染め草や染料をすりつけて模様を表すこと。
※ 「縫箔」は、刺繍と摺箔を組み合わせて模様を表すこと。

※ 「てい」は、体。様子のこと。
よかったら過去noteも参照してみてくださいね。👀
→ 「【職人図鑑】彩画職人部類(6)糸組(いとくみ)」
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