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【二十四節気】(春)穀雨

穀雨廿日
(4月20日~5月4日頃にかけて)

この頃の雨は
百穀物の萌芽を助くればなり。

葭始生 霜止苗出 牡丹華

よしはじめてしやうず
しもやんでなへいづる
ぼたんはなさく

萍始生 鳴鳩拂其羽 戴勝降桑

うきぐさはじめてしやうず
めいきうそのはをはらふ
たいしょうくはにくだる

うきぐさふれば
鳩もなきてとび
戴勝きくいただき も桑の枝に来る

※ 「戴勝きくいただき」は、サイチョウ目ヤツガシラ科の鳥。ヤツガシラ。参考:『具氏博物学字引』(国立国会図書館デジタルコレクション)


穀雨は三月のちう也。春雨よく百こくを生ずるゆゑ、穀雨といふ。

萍始生とは、萍は陰水に生じて陽物也。陰は陽を求む。此比このごろ、陽気壮なるゆゑ、水中すいちう自然おのづから  うきぐさ  を生ず。

鳴鳩拂其羽と鳩は、少陽のせいなり。此比、少陽の気に感じてこゑを発し欣び飛也。羽を拂とは、たゝきしてとぶをいふ

戴勝降桑とは、戴勝たいしよう唐鳥からどりにして、頭に菊の如き毛あり。ゆゑに、和名「菊頂きくいたゞき」といへり。此頃このころくはのびしを、ついばみにきたるなり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝


農家年中行事 穀雨

綿まき始てよし。馬鈴薯植始てよし。麻まきてよし。杉苗植てよし。
なんばんきび、豇豆、鵲豆、刀豆、菜豆、綿蒔きてよし。里芋、●植べし。煙草畑に植べし。
晩稲まきてよし。粟、稷、稗、早生大小豆、胡麻、牛蒡、刀豆、緑豆、豇豆まきてよし。漆かき始てよし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事


穀雨
越燕始翔
烏■營巢(■は亞+鳥)
科斗作陣

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰

※ 「科斗」は、おたまじゃくしの別名。「蝌蚪の陣」という言葉があるそうです。参考:『現代綜合大句集』『旅行く諷詠』(国立国会図書館デジタルコレクション)


名花画帖 穀雨

穀雨一候 棣棠金砕 やまぶき

※ 「棣棠」は、山吹やまぶきの漢名。ていとう。

穀雨二候 紫雲鋪野 げんげ
穀雨三候 紅玉映茵 ぼたん

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 上


印存 穀雨

萍始生 益田香雪
鳴鳩拂其羽 岡本椿所
戴勝降于桑 岡村梅軒

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書』『気候案内記』(国立国会図書館デジタルコレクション)

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