『開化の笑顔』川柳(22)〽丸ひもの投るところぶ廓(さと)の猫


〽 灯をくらくして お上りと ぼんや云ひ
※ 「ぼんや」は、盆屋。ここでは男女が密会に利用する家を指していると思われます。参考:『大日本国語辞典 第5巻 修訂(盆屋)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 丸ひもの 投るところふ 廓の猫
〽 なひ袖はふる と云ふのは 娼婦なり
※ 「丸ひも」は、羽織の丸紐のことでしょうか。
※ 「ころふ」は、転ぶと思われます。転ぶには、淫売をなすという意味もあったようです。参考:『日本性的風俗辭典(轉 ころぶ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「娼婦」の読み「ぢよろう」は、女郎。

〽 半てんの肩 懲となる 博奕うち
〽 悪ひ事 仕た罪 重ひ土運び
※ 「半てん」は、半纏。
※ 「重ひ」は、「罪が重い」と「重い土」の掛け言葉になっていると思われます。
詳しいことは分からないのですが、囚人の作業のひとつに、刑務所の外で土運びをする外役があったようです。宇田川文海の『士族之商業』という本に次のような記述がみられます。
「午後の四時ごろ、市ヶ谷組の補欠といて鍛冶橋組の囚徒が、例の土運びの外役に出たか、柿色の揃へを着て鎖りを附け、ゾロ/\帰って来る」出典:国立国会図書館デジタルコレクション『士族之商業 下巻』

〽 悪ひみち 直す為なり 土運び
〽 土を持ツたび 重ひ知る 石ひ知る
※ 「悪ひみち直す」は、過去の行いが悪かったことと実際の道が悪いことの掛け言葉になっていると思われます。
筆者注 ● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
