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【語源】日本釈名 (33) 木(桑・松・梅・杉・桃・檜・柿など)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

「いき」なり。イキるなり。上を略せり。又、気のおひ出る意。

「も」は「シモ」なり。上を略す。「と」は「ところ」なり。下を略す。「しもどころ」なり。木のもとは、下なる所なり。

スヱ

「す」は「少」也。「え」は「枝」なり。少なる枝なり。

「はやす」也。木を多くはやすなり。

モリ

「もり」は「こもり」也。鳥獣のこもる所也。上を略す。一説「まもり」也。木を多くうへて、人にきらせじと、まもるなり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

クハ

「く」は「くう」也。「は」は「葉」也。かいこのくふ葉なり。

※ 「かいこ」は、かいこ

「はやくなる」也。「なる」は「生」也。花は実よりさきだちてよくさく。故に「はな」と名づく。人の鼻も身の内にてはやく生ずる故に「はな」と云がごとし。一説「花」は「はなつ」の意。花を開くを「はなつ」ともいへり。

「たもつ」也。久しくよはひをたもつ意。「た」の字を略す。「も」と「ま」と通ず。松は、千歳したもつもの也。

『萬葉』に「うめ」とよめり。『順和名抄』にも「うめ」と訓ず。花なき時さきて、うつくしく、めづらしき意を以、「うめ」と云。「う」と「む」と通ずる故に「むめ」とも云。

スキ

「すく」と云意。直なる木也。「く」と「き」と通ず。

モモ

「もみち實」也。其たね、あかし。下の「も」は「実」の字也。「み」と「も」と通ず。中の「みち」の二字を略せり。

※ 「もみち」は、紅葉もみじ
※ 「實」は、実。

クダモノ

「く」は「き」と通じ、「た」と「な」と通ず。「な」は「成」也。「る」を略す。木になるもの也。

臭橘カラタチ

「からたちはな」也。むかし、此たね、もろこしより来れるにや。

※ 「もろこし」は、唐土もろこし

ヒノキ

火の出る木なり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

薔薇イバラ

「い」は「いが」なり。「はら」は「はり」也。

合歡ネフリノキ

「ねむの木」とも云。暮て其葉あへり。ねふるがごとし。故に「夜合」とも云。

※ 「合歡」は、合歓。
※ 「ねふる」は、ねぶる。

ナツメ

四月に生ず。萬の草木は、春發生す。此木は、夏めだつ故に名づく。

篠栗サゝクリ

「小栗」なり。小なるを「さゝ」といふ事、前にいへり。

クリ

「くろ」也。其みの皮、色くろし。「ろ」と「り」と通ず。

イガ

「いが」は「いかり」也。「いかり」は、おそるべきを云。「いか」をつくしには「いけ」と云。「いけ」も「いが」なり。

カキ

「あかき」也。其、實も葉もあかき故也。

シヒ

「しひ」は「すい」也。コヱを轉じて和語とす。『順和名抄』、「しひ」と訓ず。筑前国「香椎の宮」を「かすいの宮」と云も、其声を其まゝ和語とせし也。

※ 「轉じて」は、転じて。

賢木サカキ

仙覚が曰、彼木ときはにして、枝葉しけゝれば、さかへたる木と云意也。さかきの事、『寶基本紀』にのべたり。

※ 「仙覚」は、鎌倉時代の万葉学者。
※ 「ときは」は、常葉ときわ
※ 「しけゝれば」は、しげければと思われます。
※ 「寶基本紀」は、『造伊勢二所太神宮宝基本記』のことでしょうか。参考:『造伊勢二所太神宮宝基本記』(国立公文書館デジタルアーカイブ)『造伊勢二所太神宮宝基本記(A)』(東海国立大学機構学術デジタルアーカイブ)

ほつえ

仙覚曰、「こすゑ」也。今案、草木はさかさまに生ず。「こすゑ」は尾也。「お」と「ほ」と通ず。「ほ」は木の尾なり。一説に、木末のほそき所「細末ホソスエ」なり。「ツギほ」と云も此意なり。

※ 「ほつえ」は、上の方の枝のこと。上つ枝、秀つ枝。
※ 「こすゑ」は、こずえ。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

しづえ

「つ」は助字也。「したつ枝」也。

※ 「しづえ」は、下の方の枝のこと。下枝しづえ

クチナシ

木の実のから有て、其内に子をつゝむものは、ジユクして後、必口を開く。くり、しゐ、ざくろ、つばき、など、皆しかり。此物、から有て、熟しても口ひらかず。故に名づく。

ウルシ

うるしをぬれば、其色うるはし。「は」を略せり。

「ひら」也。葉は、うすくひらし。「ひら」のかへし「は」也。「ひら」とは、うすくひらきを云。一枚、二枚を「ひとひら」「二ひら」と云がごとし。『和名抄』に「葉手」とかきて「ひらて」とよめり。又、『新猿楽記』にも「千葉」とかきて「ちひら」とよめり。

※ 「新猿楽」は、平安時代後期に書かれた随筆。参考:『新猿楽記』(国立公文書館デジタルアーカイブ)

木瓜ボケ

「ぼくくは」を変じて「ほけ」と云。「ほ」は「ぼく」の略也。「け」は「くは」と通ず。音を轉じて訓とす。

蘇芳スハウ

是「そはう」とよむ。声を轉じて「すはう」と訓ずる也。「そ」と「す」と通ず。

常葉トキハ

夏冬つねに葉ある木を云。『萬葉』に「常葉」とかけり。「とき」は「とこ」也。つね也。又、およそ物の常にして、かはらざるをも「常磐トキハ」と云。つねなる事、いはのごとく也。「い」を略せり。「常」とかくはあやまり也。



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