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【二十四節気】(秋)処暑

処暑廿三日
(8月23日~9月6日頃にかけて)

猶ほ暑気の名残を存する也。

綿柎開 天地始粛 禾乃登

わたはなしべひらく
てんちはじめてさむし
こくすなはちみのる

鷹乃祭鳥 天地始粛 禾乃登

たかすなはちとりをまつる
てんちはじめてさむし
いねすなわちみのる

はしたかとりをまつりて
天地あめつちすゞしく清く
いねみつる也


老陽日々にをとろへ、秋陰の気増長し、暑気しよき退しりぞかんとす。「処」は出処の処にて「しりぞく」とよみあつさしりぞくといふ義により、七月の中を処暑となづけたり。

鷹乃祭鳥とは、秋は物を死殺からしころすを主どる。鷹は金気の陰鳥ゆゑ、よく緒鳥しよちやうをとる。鳥をまつるとはおのれはじめてとりを取ては、先、天に供祭る。雨水にをその天を祭と同じ理也。

天地始粛とは、しゆくは厳重の意にて、秋の金気きんき天地にみつるを云。又、粛はきよき意にて、暑気しよきにごりさり、天地清なるとも云。

禾乃登とは、稲の登をいふ。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝

※ 「雨水にをその天を祭」は、二十四節気「雨水」の「獺祭魚だつうおをまつる」のこと。


農家年中行事 処暑

蕎麦、此節まきてもよし。大葱苗を取り雨をまちて植べし。
晩蒔の麻、刈りてよし。
菜、蕪の類、寒国にては蒔始むべし。三ツ菜、菠薐、玉葱まきてよし。桑のゆひたてすべし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事


処暑
桂花吹香

※ 「桂花」は、木犀もくせいのこと。金木犀きんもくせい銀木犀ぎんもくせいなど。

敗醤抽黄

※ 「敗醤」は、女郎花おみなえしの別名。敗醤草はいしょうそう

赤卒群飛

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰

※ 「赤卒」は、赤とんぼのこと。せきそつ。


名花画帖 処暑

處暑一候 草棉鵞黄 わたのはな

※ 「鵞黄」は、たまご(うすたまご)色、または、黄緑色(丹黄と緑と合して鵞黄色となり)。参考:『博物小学 巻之2植物学之部』『明治新撰漢語字類大全』『広益節用集 : 2巻 下巻』(国立国会図書館デジタルコレクション)

處暑二候 秋葵冷淡 とろゝ

※ 「秋葵」は、オクラのこと。

處暑三候 建蘭寂寞 ぢらん

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 下

※ 「建蘭ぢらん」は、スルガランのこと。参考:『小石川植物園草木目録』(国立国会図書館デジタルコレクション)


印存 処暑

鷹祭鳥 三井聽冰

※ 「三井聽冰」は、三井聴氷ちょうひょう。三井新町家の第九代当主 三井みつい高堅たかかた。三井聴氷閣主人。

天地始肅 幸田露伴
禾乃登 川崎省所

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書』『気候案内記』『明治三字経:簡易小学』『種まき鑑:暦日略解』(国立国会図書館デジタルコレクション)