『開化の笑顔』川柳(15)〽客に尻見せて屁をこく人力や


〽 合乗は 町はづれから ほろ乱し
〽 合乗を曳く 車夫は おもたかろ
※ 「ほろ」は、幌。副詞の「ほろ」と「幌」を掛けているのかもしれませんね。

〽 尻りに 帆をかけて 車や走りよる
〽 人力は 小便十丁 屎一里
※ 「小便十丁 屎一里」は、歩いて旅などをするときに、小便のときは一町遅れ、大便のときは一里遅れるという意。

〽 どちらへも いに車ダと 人力や
〽 人力や 丁ちんの火で 尻あぶり
〽 人力の屁は 立場にて 散乱し
※ 「丁ちん」は、提灯。
※ 「立場」は、街道などで、人夫が駕籠などを停めて休息する場所のこと。

〽 人力に 乗ると ケットの 前だれし
〽 客に 尻見せて 屁をこく人力や
※ 「ケット」は、ブランケットのこと。
※ 「前だれ」は、前掛けのこと。前垂れ
※ 「客に尻見せて…」は、人々の足が駕籠から人力車に変わったことで、車夫の姿(昔ながらのふんどし尻からげ)が客に尻を見せつけるスタイルになってしまった滑稽味を川柳にしています。
とはいいながら、車夫も車夫で客に気を遣っていることが「人力の屁は立場にて散乱し」の川柳に窺えますね (*^_^*)
◇

江戸時代の駕籠に興味があったら『守貞漫稿』に詳しいので見てみてくださいね。挿し絵が多いので眺めるだけでも楽しめます。👀
→ 『類聚近世風俗志 : 原名守貞漫稿 10版(第廿九編 駕車)』
下図は、明治初期の馬車と人力車の往来の様子を描いています。

『文明開化内外事情 初編 下』
筆者注 ● は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖
