見出し画像

【語源】日本釈名 (32) 草(款冬・苔・薫・紫陽花・燕子花など)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

款冬フキ

「ふゆき」也。「ゆ」を略せり。冬、黄なる花さくゆへ也。

セリ

「せまり」也。其生ずる事、一所にしげくせまり合もの也。

※ 参考:『古事類苑 第51冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

コケ

小毛コケ」なり。こまかにして毛のごとし。

ニホヒ

「に」は「にこやか」也。「ほひ」は「ヲフ」也。草木のにこやかにおひ出たるは、にほひあり。「匂」を「にほひ」と訓ずるはあやまれり。

草木の実をあぶりて、其油をおし出す故に「あぶる」と云意。むして油をしめいだすは、後代の事なるべし。魚、鳥、けだものゝあぶらをとるも、あぶりせんじてとる也。

※ 参考:『広文庫 第1冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

アイ

「あい」は「あをいろ」也。「ろ」を略せり。

アフヒ

「あふ」は「あふぐ」なり。「ひ」は「日」也。日をあふぐ也。葵は日にむかふものなり。

※ 参考:『疑問仮名遣 前編』(国立国会図書館デジタルコレクション)

紫陽花アツサイ

「あつさき」也。厚くさく花也。「い」と「き」と通ず。

鹿鳴草ハギ

其葉、はやくきばむ。『万葉』に又「牙子」とかけり。

※ 万葉集に書かれた「牙子」は、菟牙子うはぎ(菟芽子とも記載あり)のこと。
※ 「牙子」 参考:『倭訓栞 1』『古事類苑 植物部13』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

ヲドロ

此草、はり有ておどろ/\しき故也。「おとろしき」は「おそろしき」なり。

車前ヲホバコ

「大葉」なるもの也。「こ」はつけ字也。

地錦ツタ

「つたふ」也。木の上をつたふもの也。

※ 「地錦ツタ」は、つたの別名。
※ 参考:『古事類苑 第51冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

海苔ノリ

煮れば「のり」の如くなる故也。

燕子花カキツバタ

「かき」は「かけり」也。「けり」の反しは「き」也。「つば」は「つばめ」也。「め」を略す。「た」は「タツ」也。花のかたちは、かけるつばめのはねをひろげながら、しばらく物にとまりて立ににたり。「かけるつばめたつ」也。つばめににたる故、からの書にも燕子花と云。

※ 「から」は、から
※ 参考:『古事類苑 第50冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

「いる」也。むしろに作る草也。むしろは人の座るものなり。

※ 参考:『古事類苑 第50冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

ハジカミ

はしあかみ也。「あ」を略せり。「はしかみ」は莖と根の端赤し。

※ 参考:『古事類苑 第50冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

淡婆姑タバコ

蓬溪ホウケイ類説』に出たり。『シヤウ府志フシ』には「淡芭菰タンバコ」とかけり。何れも烟草タバコの事也。たばことは、中華モロコシよりの名なり。和語にはあらず。「丹波粉」とかくはあやまり也。此物、むかしは日本になし。天正文禄の比、異国より来る。『本草洞筌』には「烟草」、又「相思サウシ草」と云。

※ 「シヤウ府志フシ」は、清の時代の書。参考:『漳州府志』(国立公文書館デジタルアーカイブ)
※ 「比」は、ころ。
※ 「本草洞筌」は、清の時代の書。参考:『本草洞詮』(国立公文書館デジタルアーカイブ)
※ 参考:『趣味大観』『古事類苑 第51冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

タウ

桃竹と云竹の皮をわりて物をまく。異国よりわたる也。和語にあらず。

イチゴ

其実、イヲの血ある子のごとし。

※ 参考:『国語学通考』(国立国会図書館デジタルコレクション)

アサゞ

水のあさき所に生じて、黄花さく草也。あさざき也。或云、「あさゞ」は「かうほね」也。荇にあらず。荇は小草也。蔦に似たり。

※ 参考:『古事類苑 第51冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

蘘荷メウガ

『順和名』めか。今案、音を以て訓とする也。

羊蹄シノネ

『順和名』に曰「しぶくさ」。又曰「し」。今案、其味しぶし、故に「しぶくさ」と云。又、「し」と云は「しぶくさ」を略せり。俗にも「しのね」と云草の事也。其根、大黄に似たり。『万葉』にも此くさを「し」といへり。

※ 参考:『古事類苑 第51冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

木天蓼マタゝビ

「またつみ」なり。「つ」は助字なり。「み」と「ひ」と通ず。ながきとひらき実と二つなるゆへに「またつみ」といふ。「また」は、二なる意なり。

※ 参考:『広文庫 第18冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

タカムラ

竹群タカムラ」なり。たけのむらがりたるをいふ。

※ 参考:『日本語源 下』(国立国会図書館デジタルコレクション)

「ふし」は「ふとし」なり。竹のふしは、ふとき所なり。木もおなじ。

アカザ

「あか」は「赤」なり。「さ」は「な」と音通ず。「赤菜」なり。

スゲ

すが/\しとは清き心也。祓の具に用て、清き物なり。一説「すぐ」也。葉もなくてすぐにたつ草也。

※ 参考:『古事類苑 第50冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)



筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖