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【語源】日本釈名 (35) 飲食(酒・薬・粥・肴・塩・飯など)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

コナガキ(コナガケ)

「さうすい」といふものゝ事なり。字書ニ「以 禾ヲ 和スル 羹ニ 也」とあり。「こ」は「米」也。「な」は「菜」也。「かき」は「ましゆる」なり。又、米のあれをかくるをもいふ。杜詩に「糁スル 徑ニ 楊花」とあり。それは「こなかけ」なるべし。

※ 「さうすい」は、雑炊ざうすい
※ 「杜詩」は、唐の詩人 杜甫とのの詩。
※ 「糁スル 徑ニ楊花」は
  糝徑楊花鋪白氈 點溪荷葉疊靑錢
  竹根稚子無人見 沙上鳧雛傍母眠
参考:『有朋堂文庫 〔第32〕』『広文庫 第8冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

チマキ

竹の葉、こもの葉などにつゝみて、チガヤにてまくゆえに、名づけり。又、いにしへは、ちがやにてつゝめるにや。

「さくる」なり。風寒邪気をさくるなり。仙覚『万葉抄』云、「さか」とは「さかゆ」と云詞なり。酒宴は、皆人のさかへたのしむゆへなり。又、「みき」とは「み」は「御」なり。賞することば。「き」は「いき」なり。人をよはしめては、いきをひ出るものなり。此説よし。

一説、酒をのめば、邪気を三寸さるゆへ「三寸ミキ」と云。此説、用ゆべからず。『萬葉』に「三寸」とかけるは、「御気ミキ」と「三寸ミキ」と其訓おなじければ、かり用たるなり。其字のこゝろをとるにはあらず。『万葉』には、訓おなじければ義異なれども、かり用てかける事多し。

※ 「仙覚」は、鎌倉時代の万葉学者。
※ 「万葉抄」は、『万葉集註釈(仙覚抄)』のこと。参考:『萬葉集註釋 20巻【全号まとめ】』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 参考:『灘酒沿革誌』『池田酒史』『趣味大観』(国立国会図書館デジタルコレクション)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

アツモノ

飯にそへたるシルは、あつきがよし。『禮記』にも「あつものゝとゝのへは夏の時になぞらふ」といへり。

※ 参考:『古事類苑 第44冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

クスリ

「くすぼり」と云意。くすぼりとは、香のつよくクンずる也。薬は香気あるもの也。一説「くす」は「けす」也。病をけす也。「り」はたすけ字也。

※ 参考:『広文庫 第6冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

カユ

「かしく湯」也。米をかしきて、湯にする也。

※ 「かしく」は、かしく。米や麦を煮たり蒸したりして飯を炊くこと。

サカナ

「さか」は「酒」なり。「な」は「なかだち」也。酒をすゝむるなかだちなり。

※ 「なかだち」の読み「なかだち」は、仲立ち。

シトキ

「しろとぎ」也。「しとぎ」は、米をあらひて、白く□□ほどとぐ也。とぐは、米をみがきあらふ也。

※ 参考:『方言学概論』(国立国会図書館デジタルコレクション)

カス

「こす」なり。酒をこしたるあとは、かすとなる也。

※ 参考:『古事類苑 第44冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

アメ

「あめ」は「あま」也。あまき意。「め」と「ま」と通ず。

ノリ

「ねり」也。米を水に煮て、ねる也。「ね」と「の」と通ず。又、「ぬり」也。きぬと紙にぬる也。「ぬ」と「の」と通ず。

シホ

海水にてセイする物なれば、「ウシホ」のクンをかり用ゆ。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本釈名 3巻 [3]

クマシネ

神前にそなふる米を云。是は「供米クマイ」なり。音を以て訓とせり。「し」は助字。「ね」は「よね」也。

メシ

「うまし」也。上を略す。「ま」と「め」と通ず。

麴塵コウヂ

「きくぢん」を轉じて「こうぢ」といへるにや。「き」と「こ」と通ず。又、黄色を「きぢん」と云。「きくぢん」を略せり。こうぢの色也。

※ 「きくぢん」は、萌黄色の黄ばんだ色。きぢんいろ。参考:『大日本国語辞典 巻1(きくぢん)(きぢん、きぢんいろ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「轉じて」は、転じて。
※ 参考:『疑問仮名遣 前編』(国立国会図書館デジタルコレクション)

ヒツチ

稲の再生して実なるを云。秋田をかり、水をおとして後、干土ヒツチより出て、みのるものなれば「ひつち」と云。

※ 「ひつち」は、ひつち。刈り取った株から生える稲のこと。
※ 参考:『古事類苑 第50冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

スエル

飯などの久しくなりて、味のかはりてすくなるを「すゑる」と云。「すゑ」は「末」也。はじめは味うまし。末になりて味あしくなる。「味のすく」と云も「末」なり。

※ 参考:『荘内方言考(すれる)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

ヒモロギ

祭肉のあまりを云。「ひ」は「日」也。「もろ」は「フル」なり。音通ず。「ぎ」は「食:也。日をへて食する也。「献スル 胙ヲ」も釋奠シヤクテンの次の日、きのふのそなへ物を大学寮より内裏へ奉りし也。

※ 「献スル 胙ヲ」は、けんずる。孔子を祭る釈奠の儀式で、牛や羊などのいけにえの肉を供えること。
※ 「釋奠シヤクテン」は、陰暦二月と八月の上のひのとの日に大学寮で孔子を祭った儀式。せきてん、しゃくてん、しゃくでん。
※ 参考:『広文庫 第17冊』『大日本国語辞典 巻2(しゃくでん)』(国立国会図書館デジタルコレクション)



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