【観音霊験記 西国巡礼】第拾八番山城京六角堂/聖徳太子

『観音霊験記 西国巡礼拾八番山城京六角堂 聖徳太子』

觀音靈驗記 西國順禮 拾八番山城京六角堂
わがおもふ こゝろのうちは むつのかど
たゞまろかれと いのるなりけり

聖徳太子
此尊像は、篋にいつて淡路の海上に漂ひ来るを、太子、取上玉ひて、御身を放さず持給ふ。
其後、天王寺御建立のため、良材を尋ね給ふ。折節、この地に来り玉ひ、此像を檞樹の枝に掛おき、沐浴し玉ひつゝ取揚給ふに、盤石のごとく重くなりて揚らず。

しばらく祈念し玉へば、夢うつゝの如くの御告に
「吾と君は七世の縁あり、又、此地に縁有がゆへこゝを去ず」と。
太子いよ/\尊び、此地に安置せんと、あたりの嫗に語り給へば、
「君幸かな、此邉りに杉の大樹あり。ふしぎと此木、朝毎に紫雲たなびきて覆ふ霊木なり。急ぎこれをもつて造り給へ」と教ゆ。

太子、歡び給ひて、六角堂を造らしめ玉ふに、たゞ一本の杉にて造りあげ給ふは、誠に竒異なる㕝なり。

※ 参考:『西国・秩父・坂東百観音霊験廻拝記』『西国三拾三所観音霊験記図会』『西国三拾三所観音霊験記図会』『西国三拾三所観音霊験記図会』(国立国会図書館デジタルコレクション)
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