【絵本野山草】(27) 草はんや/ぎぼうし/草びやう/きりん草/翁草/釣舩草/松虫草


草はんや 芃蘭
蘿摩は、鏡草とも云。蔓草也。六七月、鈴なりにて、薄紫の小さき花さく。百合に似て星なし。又、ひらにして、うてなあり。草しの立、葉とも女青かづらのごとし。此草は折て見れば乳汁出る。又、女青かづらは乳汁なし。花開き、晩秋に実を結ぶ。紙麻売に似たり。初冬に至て自割、白絮出る。其売船盤のごとし。長さ、大きなるは二三寸許、小なるは寸餘也。是、神書にいはゆる「少彦名神、蘿摩売を以て舟とす」と。少名彦神を画に用ふべきもの、すなはちこれなり。

花ノソト白シ内ラエンシノグ 生エンシノクマ中ノシン白シ
葉六セウウラ白六ツル 同花ノウテナ生エンシ
實如此
※ 「草はんや」は、草パンヤ。ががいも(蘿藦)の別名。
※ 「女青かづら」は、屁糞葛。
※ 参考:『草花木竹栽培秘録(草はんや)』『万葉集古義 万葉集品物解 第1−4巻』(国立国会図書館デジタルコレクション)

玉簮花 ぎぼうし
四月花有。一名は、白鶴仙。数多く葉のふちに白のかすりあり。「ふちうぎぼうし」といふ葉に斑入あり。「ぶんてうぎぼうし」といふきんらんあり。葉、つねのぎぼうしにかはらず。花、雪白。しのたちのび、かんざしのごとく至極見事也。一種、葉極てほそながく、つやあるもあり。はな、きんらんに同じ。はなのいろ、白有、ふぢいろ有。大ぎぼうしは、たかさ四尺ばかり、小ぎぼうしは土地によりていろ/\あり。山草なり。

玉簮花
一名 白萼 能 消 骨鯁 不 可 着 芽 着 牙 則 裂砕 有 紫黄二色 紫者多 黄者佳 種 不 多有
草びやう
びやう柳に似たり。花黄色にして、葩五つにて、芙蓉のごとしなる。しべ短く、長春に似たり。葉、をとぎり草に似て、葉むかひあひ両方を茎葉にてとりまく。高三四尺、よこにはふ。四五月花咲。

※ 「びやう柳」は、未央柳。ビヨウヤナギ。
※ 参考:『草花木竹栽培秘録(草びやう)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
きりん草 鋸歯葉 景天
葉、べんけい草のごとく小葉にして、葉のふちにきれあり。花のいろ黄にして、一処につきさく。草たちふとし。花もべんけい草のごとく、五月花有。葉三方につく。


翁草 白頭翁
はの芽だし、ゆき白にして、日をかさね次第に青くなる。又、虎斑有。せうがひげのごとく、五月花有。葉、三重につく。

※ 「せうがひげ」は、麦門冬のこと。参考:『和漢三才図会 巻之36湿草類(麥門冬)』『和漢雅俗いろは辞典 訂2版(せうがひげ)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
釣舩草
花、八九月有。葉、野菊のはに似て、きれあさく葉うすし。くき●●して、葉のうらより一寸ばかりのほそきいとさがり、はなをつる事、つり舩のごとし。はなのかたち、とりかぶとを横にしたるごとく、色、本金黄、至極かはり也。又、紫花有。又、白もあり。

芲地エンジグヒラ同 ソコヨリキクマトル
スシヱンシ同ホシ
松むし草
葉、よもぎのごとく、莖ふとく、花うす藤色有。き花さく。又、いたのぎくともいふ。一名、玉毬花。七八月より九月まではな有。

黄色ノ芲ハ地キ仕立ハ右同
※ 参考:『和漢三才図会 下之巻(玉毬花)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
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