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海鰕(ゑび)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名産圖會 5巻 [3]

海鰕(ゑび)

海鰕 漢名 蝦魁がくわい 釈名 紅鰕こうか
エビは惣名そふめうなり。種類おゝよそ卅余種、其中に漢名龍鰕りうかといふは海鰕うみへびなり。

俗称伊勢いせ海鰕ゑびと云。是伊勢より京師へ送る故に云なり。又、鎌倉より江戸に送る故に江戸にては鎌倉かまくらえびと云。又、志摩より尾張へ送る故に尾張にては志摩しまえびと云。又、伊勢鰕の中に五色ごしきなる物有、はなはだ奇品なり。ひげ白く、背はあをくかさねの●●●の幅輪ふくりん緑色其他黄赤黒相雑あひまじる

漁網は大抵七十尋深さ二間ばかり、但し磯のひろさ岩間の廣狭ひろせまにもしたがひて大小あり。むかうと左右と一ぱうの目はあらし、むかふの深さ十六ひろばかりの目はほそくして、是をふくろといふ。アバ(浮子うけなりおけを用)、重石いは(陶瓶を用ゆ)、大抵鯛網に似たり。日暮にこれを張りて翌朝曳くに、鰕ことごとく網の目をさしてかかる。是はしりへにぐる物なれば、尾のかたよりさせり。又、網の外よりもかかるなり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名産圖會 5巻 [3]

鰕のわたは脳に属して其子そのこ腹の外に在り、まなこ紫黒しこくにして前に黄なる所あり。突出とついで疣子いぼのごとし。口にひげ四つあり。二つの鬚は長さ一二尺、手足は節ありてあしたけのこのごとし。殻はことごとく硬きよろいのごとし。よくとんで踊る。是海中ののみなり。蚤また惣身そうしん鰕におなじ。

エビの訓義くんぎ柄鬚えびなり。ゑだなり。といひ、いふひとえだうみの枝なり。蝦夷ゑぞをエヒシといふは、是毛人島けひとしまなるになぞらへ、正月辛盤ほうらいに用ゆるは海老の文字をしやくしたるなるべし。

海鰕網(えびあみ)
日暮にこれを張りて翌朝曳くに
鰕悉く網の目をさしてかかる


伊勢海老とおせち料理
Photo by mominaina


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