『開化の笑顔』川柳(8)〽針山をきらいな娘地獄に出


「御布令(おふれ)」と書いたものを持っています
〽 開化婆ゝ 伍長役する うら長屋
〽 孫の手に かき習らはせる 開化婆ゝ
※ 「伍長」は、五人を一組にしたものの長のこと。または、陸軍下士のひとつで、軍曹の下位にあるもののこと。 参考:『大日本国語辞典 巻2(伍長)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

〽 開化婆ゝ 孫遊ばすも 単語篇
〽 開化した 婆ゝアは付ぬ しらが染
※ 「単語篇」は、明治五年(1872年)に文部省によって編纂された文字・語彙のための教科書。参考:「コラム~教育図書館所蔵資料から(11)単語篇」国立教育政策研究所教育図書館Webサイト


〽 針山を きらいな娘 地獄に出
〽 地獄ゆきすると かぐ鼻落こちる
※ 「地獄」は、ここでは素人の売春女性を指し、針仕事(裁縫)の針山と地獄をかけていると思われます。
※ 「鼻落こちる」は、梅毒にかけたものと思われます。

〽 東京の地獄 大坂のしろいもじ
〽 針もたぬ 女首すじ ミシンがた
〽 まだわたしや 籠の虫じやと 禿言イ
※ 「しろいもじ」は、白湯文字。
『社会文学辞典』(明治36)に次のように書かれています。
「しろいもじ 白湯文字 京にて白人の遊女を白イモジと云、遊女は赤イモジを着れば也、江戸にて地獄と云ふ」
ここでいう「白人」は「しらびと」「しろびと」と読み、素人をいいます。
参考:『大日本国語辞典 巻2(しろゆもじ)(しらびと)』『警眼法令集(シロイモジ)』『裸に虱なし』『A Japanese and English dictionary : with an English and Japanese index(SHIRŌTO)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「いもじ」は、湯文字が訛ったもので腰巻のこと。
※ 「禿」は、遊女に付いて雑用をする少女で、まだ見習い中の遊女のこと。
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