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【観音霊験記 西国巡礼】第二番紀三井寺/唐僧威光上人

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
観音霊験記 西国巡礼第二番紀三井寺 唐僧威光上人

觀音靈驗記くわんおんれいげんき 西國さいこく順禮じゆんれい だいばん 三井寺みゐでら
  ふるさとを はる/\こゝへ きみゐ寺
     花の都も ちかくなるらん

唐僧たうそう威光上人ゐくわうしやうにん
紀三井寺きみゐでらは、三泒の灵水れいすゐあるがゆへ名とせり。上人、大般若経はんにやきやうかき写玉ふかたはらへ、忽然こつぜん美女びぢよきたりたるにおどろきて、何方いづくのものとたづねければ、清浄しやう/\水のたきのうちにかくれしが、そののち三年へて、かの美女また来りて、

※ 「威光上人ゐくわうしやうにん」は、奈良時代に紀三井寺を開基した為光いこう上人のこと。
※ 「灵水れいすゐ」は、霊水。
※ 「三泒」の「泒」という漢字は、川の意であるようです。ここでは紀三井寺の三井水さんせいすいのこと。
※ 参考:「紀三井寺の歴史」「日本名水百選「三井水」」紀三井寺Webサイト

法螺貝ほらがひ如意によい香炉かうろ、加しやう錫杖しやくじやう横道わうだうの木さくらとうを献じて、「われは瀧女なり、上人の法徳ほうとく永代えいたい信仰しんこうせん」とさりけるゆへ、その品々しな/\ 當寺たうじの宝ものとなつて、いまもそんせり。それのみならず、そのときよりしてまい年七月七日には龍燈をけんずることふしぎの灵げんなり。

※ 「そんせり」は、ぞんぜり。
※ 「加しやう」は、迦葉かしょう釈迦しゃか十大弟子のひとり。
※ 「灵げん」は、霊験。



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