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【二十四節気】(春)啓蟄

啓蟄 五日
(3月5日頃から3月19日頃にかけて)

冬季に蟄居せし蟲類
土を啓き蠢動するなり。

蟄虫啓戸 桃始笑 菜虫化蝶

すごもりむし とをひらく
もゝはじめてさく
なむし てふとなる

桃始華 倉庚鳴 鷹化爲鳩

もゝはじめてはなさく
さうかうなく
たかけしてはとゝなる

桃のはな 咲出さきいでぬれば
うぐひすのなくもしげく
たか とゝなる

啓蟄は二月の節也。「啓」はひらくとよみ、立春に振動ふるひそめし虫ども、二月の陽気にさそはれ、地を啓き出るゆゑ、啓蟄といふ。

桃始華とは、少陽せうやうの気にやしはなれて、桃の花咲をいふ。

倉庚鳴とは、倉庚は雲雀ひばりなりとも云。又うぐひす也とも云。此鳥、陽鳥ゆゑ、仲春ちうしゆんの気に感じてなくと云。

鷹化爲鳩とは、鷹は陰鳥いんてうにして殺伐さつばつの鳥なり。然に、春陽しゆんやう生育せいゝくの気に化せられて、さしも猛悪もうあくたかも温和にして、三枝のれいあるはととなる也。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝

※ 「三枝のれい」は、三枝礼さんしのれい。鳩の子は、親鳥が止まった枝より三枝下がったところに止まることから、鳥も孝道をわきまえているという喩え。はと三枝さんしれいあり。


農家年中行事 啓蟄

麻、荏、藍、夏大根、紫蘇、蓼、松、杉、檜、種まきよし。
はぜの肥しすべし。葡萄の棚ゆひすべし。
葡萄の苗、植付挿木よし。茶、漆、栗まきてよし。
柿、林檎、櫨、接木よし。梅、杏、枇杷、挿木よし。
春大根、鶯菜、苣蒿、菠薐、胡瓜、茄、蕃椒、夕顔、苦瓜、煙草、韮、藍、蜀黍、玉蜀黍まき始めてよし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事


啓蟄
素蝶尋花
木筆畫空
李花如雪

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰


名花画帖 啓蟄

啓蟄一候 茱萸峭直 さんしゆ
啓蟄二候 連翹妖■(女+尭) れんげう
啓蟄三候 麝繙香嚢 じんてうけ

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 上


印存 啓蟄

桃始華 香取秀眞
倉庚鳴 結城蓄堂
鷹化爲鳩 田口米舫

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書』『気候案内記』(国立国会図書館デジタルコレクション)

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