JOCV訓練生が開発援助を考える①
みなさん、Nawa-na wa?? JOCV派遣前訓練中のMollyです。
“Nawa-na wa”(ナワナワ)とは、私が派遣されるナミビアの現地語の一つ・オシヘレロ語で「元気ですか?」という意味です🇳🇦
ちなみに「元気だよ!」と返す際は“Nawa-na”(ナワナ)と言うそうです。
ナミビアの公用語は英語ですが、他にもアフリカーンス語やドイツ語、多数の民族語が使われており、クリック音が主のナマ語は特に、私はまともに発声できる気がしません。。一旦は、自分の中のかすかなドイツ語の記憶を呼び起こすこととしたいと思います😇
さて、JICA訓練所での生活も あと10日。任国への派遣も残すところ約2ヶ月となりました。爆速。
有難いことに、この訓練所に来てから何度か、開発援助について色々と考えさせられる機会に恵まれたので、今回は“JOCVの視点”から、開発援助に関して考えていることをちょっと纏めてみたいと思います。
ただ、すご〜く長くなりそうなので、Part①②と2部制にしてみました。
昔から文章が長くなりがちで、JOCV訓練で同じ班員たちにも、読書感想文とかめちゃくちゃ長く書いてそう、との偏見をいただきました🐣 実は大正解です。笑
◯開発援助に関するワークショップの実施
JOCVの訓練所に来てから、何度か専門分野についてワークショップやプレゼンをする機会をいただいています(私の訓練言語・英語で、専門分野の全く異なる方々を対象に)。これまでは、“Why We Need Education”, “Human Security”, “Development for Whom?”, そしてこれらの学びを活用し、4回目のワークショップでは 受講者の方々に草の根・人間の安全保障 無償資金協力の案件形成にチャレンジして貰いました🌱
人間の安全保障 “Human Security”は壮大なテーマですが、これを無くして、少なくとも日本のODAは語れません。また、JOCVは草の根的活動を行うため、各々の任国の方々とは草の根レベルで繋がれることが非常に大きな特徴と言えます(←筆者がJOCVに応募することを決めた最大の理由の一つです)。
“Development for Whom?”の回では、OECDのBetter Life Indexを用いるなどしながら、well-beingと開発の関係性について考え、過去の事例から“開発の失敗”と“開発の副作用”を読み取り、開発は“西欧”からの押し付けであってはならない、というメッセージを付しました。
開発が専門分野ではない方々向けのワークショップでしたが(しかも日本語でない)、伝えられていたら嬉しいなあ。
◯開発援助は誰のためのもの? - Development for Whom?
上述の通り、JOCVは草の根的な活動を行うため、現地の人と非常に距離が近いものと想像します。そこで、JOCVとしての活動を定めるために、「何がこの地域/あなたたちの“課題”か、何が“ニーズ”か」を聞いてしまうと、それは適切とは言えないでしょう。
JOCVのコミュニティ開発分野の技術顧問も先日仰っていたのですが、こうした質問をしてしまうと、あれもこれも欲しい、あれもこれも足りない、と大変な“ニーズもどき”の雨に晒され、課題の根本要因を見出せないまま 2年間のJOCVの任期を終えることになりかねません。
開発援助はこれまで、たくさんのプロジェクトで「失敗」を重ねてきました。マクロの話にはなりますが、とある国際機関は昔、南アの中に位置する国・レソトを、産業化の兆しがない農業国であると決めつけて、住民の生計向上のための援助案件を実施しました。他方、同国の現状把握が十分になされぬままこの案件が策定・実施されたため、またレソト側も国の上層部の一部しか本案件に携わらなかったため、本件はレソトのニーズと現状にそぐわず、”案件の目的”は達成されませんでした。
上記の案件は、結果的に「開発の副作用」と呼べるような、本来の“案件の目的”とは異なる想定外のベネフィットが生じ、レソトは実はそれなりに違った文脈で被益したのですが、“案件の目的”が達成されなかったために、当該案件は「失敗」したと捉えられています。
端的に、現地の慣習や環境、そして課題の分析が十分でない場合、現場のニーズを見誤るケースが多発します。以下のような例が、典型的な開発の「失敗」と言えるでしょう:
・目的:職業機会の拡大に伴う収益向上
結果:家族やコミュニティとの繋がりの喪失
・目的:農地拡大による農家・小作人の収入向上
結果:環境負担の増幅
・目的:近代・衛生・安定的な水道システムで、若干の費用を徴収する
結果:住民は新しいシステムを放棄し、使い慣れた”無料”の雨水の不衛生・不安定な水溜りの利用に戻る
私が「失敗」に「」を付しているのは、「そもそも開発に失敗はあるのか?」と大学院の授業中に問われた際、クラスで意見が割れ、自身も明瞭な答えを見出せなかったためです。この問いに答えようとすると 非常に長い議論を要するので、今回は割愛しますが、必ずしも「開発=成功or失敗」と評価するわけでは全くありませんので、ご承知おきください🙇🏻♀️
他方、こうした開発の「失敗」を回避するためには、やはり、常々「この開発援助は誰のためのものなのか」を改めて認識する必要があるのだろうと思います。
それでは一旦、本稿はこちらまでとさせていただきます〜
#3 JOCV訓練生が開発援助を考える のPart②でお会いしましょう。Tschüss!🇩🇪
写真:Oooh Magazine
https://www.oooh.jp/magazine/namibia_museum/?type=AMP
