『貯金』じゃなくても、お金を残しておく - Salary Game💰🇳🇦
こんにちは。ナミビアJOCVのMollyです🇳🇦
先日、任地の役場と協力し、マーケットを開催してみましたので、
今回はこのマーケットと、そのサイドで実施したプチゲームに関して
書いてみたいと思います💰
以前から、任地の地域経済開発の一環として、
地域の小規模ビジネスや住民の収入向上につながるような
活動ができないかと考えていました。
今回の Street Market は、その一つの試みです。
食べ物や飲み物がほとんどでしたが、様々な出店者が集まりました。
申し込みをしていた人全員が当日出店したわけではありませんでしたが、それでも会場は思っていた以上に賑わっていました。

そして、私にとってもう一つ試してみたかったことがありました。
Financial Literacy です。
「ワークショップ、やってみようかな」
私は以前から、若者などを対象に Financial Literacy の
ワークショップをやってみたいと思っていました。
ナミビアでは、給料日に入ったお金を
その日のうちに使い果たす人が少なくありません。
輸入依存による物価高・厳しい気候環境・高い失業率…
様々理由はありますが、お金が手元にあると、ついつい
お菓子、アルコールやドラッグに使ってしまう人達がいます。
よって月の後半は、私の周りでは "I'm broke" が口癖になる人が増え、
街の治安に変化が現れたりします…(察してください)
貯金の重要性や、NeedsとWantsの差別化などを学ぶこと自体には
大きな需要がありそうですし、この学びは意味を持つでしょうが、
いきなり「Financial Literacy Workshopを開催します!」と言っても
そもそも人が来てくれるとは思えません。
そこで今回は、Street Marketのサイドに小さなブースを設ける……というより、私の方から会場にいる人に声をかけてみることにしました。
「今、Financial Literacyについてのワークショップを考えているんだけど、ちょっとゲームをやってみて、感想を聞かせてもらえない?」
という感じ。
お客さんや出店者の方に自分から声をかけていき、
最終的に 7人の方にSalary Gameに参加してもらいました💵
(興味本位で野次馬のように集まってきた「見守り隊」もいました。
ナミビア人、ちょっとシャイな方も意外と多く居るので、
「私も混ぜてー!!!」と入ってくる人はそんなに居ませんでした)。
"Salary Game" とは
ゲームでは、仮想の月給を渡して、そのお金をどう使うかを考えてもらいます。
生活に必要なもの。
欲しいもの。
貯金。
そして、突然発生するUnexpected Events。
限られた収入の中で、何にどれくらいお金を使うのか。
そして、月末にお金が残るのか。
そんなことをゲームを通して考えてもらいます。

「わざと」貯金しない人がいた
やってみて、私が面白いと思ったことがありました。
もちろん、「Savingに回す」と考える人もいました。
でも、全員がそうだったわけではありません。
ゲームの中で、結果的に手持ちのお金が無くなり、
「貯金になんてお金回せなかったよ!水電気代すら払いきれてないよ笑」
という人もいましたが、
Needs List にも Wants List にもお金を使い果たさず、
ただ Savings の欄にお金を入れるわけでもなく、
「Money Left (手持ち)」の欄にそのまま少しお金を残す人がいました。
本人は必ずしも「貯金」という意識でやっているわけではない。
でも、全部使い切らずに手元に残している。
「どうして残したの?」
と聞くと、
「何が起こるかわからないから」
という答えが返ってきました。
「何が起こるかわからない」
この言葉が、なんだかとても印象に残りました。
そのお金は、もちろん何か楽しいことに使ってもいい。
例えば、家族や親戚と共に braai 🍖 するために肉を買ったり、
お菓子を買って 皆で分けたり。
でも、急にお金が必要になることもある。
ゲームの中ではUnexpected Eventが起こります。
親戚のお葬式への突然の contribution 、
携帯が壊れたことで突如発生した修理代、
体調不良になり 病院と薬局で支払った医療費、
などなど。
それを乗り越えたあとでも、
「それでも何か起きるかもしれないから」
と、お金を少し残す。
それはもしかすると、Financial Literacy という言葉で説明されるものより、
もっと直感的な Financial Resilience なのかもしれないと思いました。
「知識を教える」だけが Financial Literacy ではない
Financial Literacyというと、
「Budgetを作りましょう」
「Savingしましょう」
「NeedsとWantsを区別しましょう」
というような知識を思い浮かべがちです。
もちろん、それは大切です。
でも今回ゲームをやってみて、私は少し違うことも考えるようになりました。
「何が起こるかわからないから、全部使わずに少し残しておく。」
これは、とてもシンプルです。
Savingという言葉を知らなくても、
「今月の給料を全部使ってしまわない」
という判断をすることはできる。
Financial awareness というのは、必ずしも難しい金融用語を
知っていることだけではないのかもしれません。

Street Market で分かったこと
今回の Street Market についても、
住民の方から興味深い反応がありました。
「もっと頻繁にやってほしい。」
「できれば毎月やってほしい。」
そんな声を複数聞きました。
もちろん、役場側にも予算や人員、
他の公式イベントとの兼ね合いがあります。
そのため、今のところ毎月開催できるわけではありません。
それでも、実際にやってみたことで、
「地域の人たちがこういう場所を求めている」
ということが分かったのは大きな収穫でした。
イベントを開催して終わりではなく、
「やってみたらどうだった?」
「何が必要だった?」
「次はどうしたらもっと良くなる?」
と聞いていく。
そうやって少しずつ改善していくことも、
Community Development の一部なのだと思います。

薪も自らトラックで運んできていました 🪵🔥
次はどうする?
今回の Street Market は、出店料を取りませんでした。
こうした地域の小規模事業者が参加しやすい場を作るという意味でも、
個人的には できれば今後も無料で続けられたらいいと思っています。
今後については、金・土曜の 2日間開催にできないか。
道路から少し離れたところにある既存のマーケット施設だけでなく、
道路に近い広場にテントを設置して、もっと「ふらっと立ち寄れる」
マーケットにできないか。
来場者が座って食事できるような場所も作れないか。
そんなアイデアも、担当者同士で話しています。
もちろん、予算という大きな問題もあります。
でも、まずは「こうしたらもっと良くなるかもしれない」と考えてみる。
そして、住民の反応を聞いてみる。
今回の Street Market は、その小さな一歩だったのかなと思います 🌱

たっぷりスパイスとソースをかけて焼きます。
小さくやってみること
7人にSalary Gameをしてもらっただけなので、もちろん、
これだけでKeetmanshoopの人々のFinancial Literacyについて
何かを結論づけることはできません。
でも、7人だからこそ、一人ひとりに
「なんでその選択をしたの?」
と聞くことができました。
そして、そこから自分が考えさせられることがありました。
大きなワークショップを企画する前に、まず小さくやってみる。
やってみて、反応を聞く。
そして、次を考える。
最近、Community Development の仕事をしていて、
こういう小さな試行錯誤の面白さを少しずつ感じるようになっています。
Street Marketも、Salary Gameも、まだ始まったばかりです。
これからどうなるかは分かりません。
でも、
「やってみたら、少し分かった。」
それだけでも、現場にいるからこそ得られる
大切な一歩なのかもしれません。

網からそのまま取ったので 激アツで、手を火傷しそうでした 笑

わんこ (野犬) と一緒に美味しくいただきました 🐾
※ 狂犬病など様々な危険が伴うので、わんこ には触れていません
