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静謐の羽ばたき

霧の中で
白百合を抱いていると
錯覚しながら
その棘によって
柔らかな花弁を裂いてゆく


露のように澄んだ唄は
やがて綻びながら
曖昧なフォルムを
形を変え 姿を変え
美しく
流れてゆく


朝焼けの鳥たちは知っている
祈りは羽ばたきとなり
風をやさしく撫でることを



仮初の願いであれば
翼を持たず
善意を頼りに
己の影に寄り添うばかり


大地は
裂かれた花弁を掬い
ひそやかに新しい芽を育んでゆく



雲の切れ間から射す光は
やわらかな温かさを纏い
全てのものを照らすごとく
静かに降りそそぐ



そのぬくもりの中で
咲かんとするあらゆる息吹は
孤独なようで
孤独ではなく
祈りは静かな承認を経て
心に灯る焔となる