あとがきに代えて✨小説「いろは楓谷」創作裏話
はじめて小説を書くために、その町を訪ねました。これまでは、かつて訪ねたことのある町をモデル地として物語を書いてきましたので、小説を書くことを目的に出掛けるというのは、私にとって思い切った行動となりました。
きっかけは、「春の花」を探していたときに、ふと目に止まった「白花カタクリの希少性」です。『山と渓谷オンライン』のその紹介文には、「春の妖精に会う二つのハイキングコース」と謳われていました。この記事を拝見して「足助」を訪ねてみたくなったのです。ぞうり絵馬の掛かる飯盛山、足助八幡宮、足助城跡、そして国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された足助の町並みは、写真を見ているだけで物語が浮かんでくるようでした。
残念ながら、この『山と渓谷オンライン』の記事を拝見したときには既に四月に入っていて、カタクリの花の開花時期は過ぎていました。それでも、カタクリの花が咲いた跡でもいいから見てみたいと思って訪ねた足助の町――
そこには、まるで時間がゆっくりと流れているかのような空気がありました。
そして初夏の楓の蒼緑の美しさに惹かれ、その楓の葉に小さく乗っている朱色のプロペラのような小さな葉に魅せられました。調べてみたところ、これは「翼果」と呼ばれるもので、楓の種を遠くまで飛ばすためにこの形状になっているとのこと……自然の摂理に深く感動しました。
この翼果のことを小説の中で書いてみたいとその時思ったのです。そういうわけで、植物の主演は「カタクリの花」と「楓」とW主演という運びになりました。そして、この足助の楓の名所は「香嵐渓」と同じ場所だと行ってから気づきました。そういえば、昨年、職場の方が紅葉を見に行かれて写真を見せて頂いたことを思い出したのです。それは夜、ライトアップされた美しい幻想的な風景でした。
この時点でもかなり、足助の自然に惹かれていたのですが、訪ねたときに歩いた街並みにまた、心を奪われました。立ち寄った商店街の人々の温かさや、塩を中心に栄えてきたこの町の歴史など……
全てを盛り込めないくらい、様々な物語の種を発見しました。
訪ねた目的のもうひとつは、主人公の職探しです。(だって『お仕事小説』だもの)地場物産店の中に飾られた様々なものの中で、私は木の器に見入ってしまいました。「そうだ、これにしよう!」
帰宅してから、調べてみると木の器を作る人のことを木地職人と呼ぶのだと知りました。そこから様々な資料に目を通しながら、どんな構想にしようかと練る期間を経て書かせて頂いたのが「いろは楓谷」という物語です。
毎回、小説を書くときには「調べる」ところから始まります。最初の「調べる」工程はなかなか、骨の折れる作業ではあります。決して「楽しい」だけではありませんが、新しいことを知る機会でもあり、楽しめています。
調べる際には、大まかな構成を既に考えているのですが、調べていくうちに、どんな方向に進んでいくのかが見えてきます。これはリアルの課題解決でも同じだなあと感じることがあります。解決方法が見えないとき、立ち止まらずに一歩踏み出すことで、さっきまで見えなかったものが見えてくることがありませんか?物語を創ることも同じような感覚があります。
そんなことをあれこれ考えているうちに、登場人物たちにそれぞれの性質が吹き込まれると、あとはどっちに進むかを教えてくれます。人物が自分の言葉を語り始めるようにも思います。(あ、声は聞こえてきませんよ)
主人公「奏司」という名前には、様々な小さな物語が合奏のように最後にひとつになって流れていくことを願いながら付けました。
さて、私の場合、事前に細かく構成や展開を決めて例えば表にすると、途端に書けなくなります。なので今は、書いてから表にまとめていき、その人物の一貫性が保たれているか、自分で仕込んだ伏線を忘れていないかをチェックしています。(備忘録みたいですね🤭💦うふふ)
さて、次の「心の動く種」を見付けてまいりましょう。
拙記事や、TALESをお訪ね下さってありがとうございます💐いただいた感想が大きな励みになりました😊✨
Talesに感想や推薦レビューを書いて下さった皆様にもお礼を申し上げます。
エピローグ、並びに「あとがき」までおつきあい下さいまして心より感謝しています💐
エピローグはこちらから💐✨
クリックするだけでお読みいただけます。
初めて訪ねた下さった方はこちらから
作品紹介とプロローグにつながっています。
『いろは楓谷』に最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございます💐
登場人物と一緒に白花カタクリを探して下さった
あなたの物語も見付かっているかもしれません✨
感想がございましたら、お気軽にコメント欄へお願いします💐
作中の町並みや自然描写はフィクションですが、香嵐渓や足助の風景から多くの着想をいただいています。ありがとうございました💐✨尚、参考文献につきましてはTalesの方に記させていただきました。
五月に足助町を訪ね、御紹介させていただいた記事です。
和様写真家 まつきよ様
『香嵐渓の紅葉ライトアップ夜景、飯盛山・待月橋・香積寺が秋モミジに燃え上がる』
Music:Melo-magica「思考の小径」
Composer:河野恭子様
